澤の背中。

つい、常識を働かせてしまった。FIFAW杯女子サッカーの準決勝、見なかった。
一日おきに点滴を打っているのに、真夜中のサッカーを見るというのもな、と思ってしまった。三連覇を狙う強豪ドイツを破ったとはいえ、そういいことは続くこともあるまい、スウェーデンの平均身長は、日本より10センチも高いというし、という思いもあった。
朝遅く起きると、何と、なでしこジャパン勝っていた。常識を働かせるのも善し悪しだ。史上初のことだというのに、W杯での日本の決勝進出への瞬間を、リアルタイムでは逃してしまった。

なでしこジャパン決勝へ。夜のNHKのニュース番組、3つも見てしまった。

今日、2ゴールを挙げた川澄奈穂美。小柄な選手だ。
監督の佐々木則夫、こう語る。初めてスタメンで起用した川澄が当たった、本当によくやってくれた、と。

澤穂希、今日もゴールを挙げた。これで、今大会4ゴール。
このゲーム、スウェーデンに先制を許したのは、澤のパスミスからだという。澤、それをキッチリ取り返す。さすが、澤。さすが、キャプテン。

ドイツ、スウェーデンとヨーロッパの強豪国を破ったなでしこジャパン、海外メディアも驚き、称賛している。佐々木監督の下、相当に技術を高め、自信をつけてきている、と。
今まで、日本の自前の監督としては、男子監督の岡ちゃんであった。女子の監督・佐々木則夫、岡ちゃんを凌ぐ評価を得るのではないか。

ハーフタイムであろうか、円陣を組むなでしこジャパン。左に顔が見えるのが、澤だな、きっと。

ゲーム終了後、大震災への世界中からの支援への、感謝の横断幕をかかげるなでしこ。

今、世界のファッションシーンで勝負をしているスーパーモデルの冨永愛、こう語る。「日本女性、心に秘めておく、イコール我慢する、そういうことにすごく長けている」、とも。
Viva Female!! (私のブログ、ただ一人だけだが、日本語を母国語としない女性の閲覧者がいるので、欧文の記述、一言のみお許しを)

ワールドニュースの後ろの映像も、澤穂希だ。
なでしこジャパン、3ー1でスウェーデンを破り、決勝へ。決勝の相手はアメリカだ。
アメリカは強い。対アメリカ、過去22戦して、3引き分け、あとは全敗している、という。しかし、勝負は水もの。やってみないことには、解からない。今のなでしこジャパン、ミラクルの起こる確立、4〜5割はあるのじゃないか。
しかし、この試合も、キックオフは、午前3時45分。真夜中だ。だが、このゲームは、見ずにはおれない。点滴を打ち続けても。

最後に、今一度、澤穂希の姿を載せておこう。
男の背中には、人生がある。背中にキャプテンナンバーの10を背負った澤、男に負けない。弱冠15歳の時から日本代表で闘ってきた澤の背中、世界の頂点を極める気概に溢れている。
     なでしこや人をたのまぬ世すごしに     中村汀女
この句、「人をたのまぬ」とは、どういう意か。なでしこ、英名では、ピンク。また、「大和撫子」、その楚々とした風情から、日本女性の美称でもある。
しかし、中村汀女が詠む「人をたのまぬ世すごし」には、内に秘めた日本女性の強さが隠されている。
なでしこジャパンを引っぱる、澤穂希の人生を重ね合わせてしまうな。どうしても。