北泰紀行(21) イヌ、ネコ、・・・。

チェンマイや北部タイには、ゾウさんやトラばかりがいるワケではない。イヌやネコ、他の動物もいる。
アジアの国、どこでもそうであるが、特にイヌはよく見かける。実は、タイの王様自身、大変な愛犬家として知られる。著書も出しておられる。
プーミポン・アドゥンヤデート国王陛下著『奇跡の名犬物語』、サブタイトルは、「世界一賢いロイヤル・ドッグ トーンデーン」、という書を。訳・赤木攻、絵・木村修、日本では、2006年、世界文化社から刊行されている。
カバーの裏には、<奇跡としか言いようがない、国王と野良犬との出会い。持って生れたトーンデーンの能力は、国王を感心させることばかり>、とある。タイでは、65万部の大ベストセラーとなったそうだ。
ある時、国王の視察地の事前清掃と環境整備のために、係の役人が、野良犬を捕まえて、動物収容所へ連れて行ったそうだ。地域住民との間にひと騒動がある。その野良犬、地域の住民が可愛がって、餌を与えていた”地域犬”だったから。それを知った国王、その中の1頭を引きとった。トーンデーンと名をつけ、可愛がる。
ロイヤル・ドッグとなり、トーンデーン(赤がね・銅)と名づけられたこの犬、とても頭がいい。ナマズ観察も大好きだし、テレパシーも使う、忠誠心も厚い。
王宮にいるロイヤル・ドッグ、何匹もいるが、国王のトーンデーンに対する寵愛ぶりひと方でなく、トーンデーンの国王に対する敬慕の心も、並みの犬ではない。だから、同書には、こういう写真も出ている。

<少し長い期間会えなかったら、トーンデーンはストレスで入院しなければならないほどぐあいが悪くなってしまった(2000年2月)>、というキャプションがついている。

この写真のキャプションには、<お気に入りのトーンデーンをあしらった、おしゃれなTシャツを作った(2000年5月)>、とある。
トーンデーン、雑種のメス犬。しかし、頭も良ければ、容姿も優れている、と国王陛下は記している。動物収容所に送られ、あわや殺処分となったに違いない野良犬、才色兼備なロイヤル・ドッグ、トーンデーンとなる、。国王への忠誠心も厚い。
タイにはこのような犬もいるが、もちろん、トーンデーンは稀有な例。その他大勢のイヌは、あちこちにいた。

チェンマイのワット・スアン・ドークの御堂の前には、二匹の犬がいた。まるで、狛犬のように。

お坊さまが歩く道にも。

ウィアン・クム・カーム遺跡には、こんなイヌもいた。

その売店の周りには、4匹の犬がたむろしていた。野良犬なのか、地域犬なのかは解からないが。

チェンマイ旧市街では、ブロック塀の上に上がっている犬もいた。一体全体どうやって、そんなところに上がったんだ、キミは、と思う。

ラオスの小さな村では、道の上でグッタリとしているイヌがいた。


ネコだ。国境の町・メーサイの街中にいた。こやつ、堂々として歩き去った。

ゴールデン・トライアングルの「阿片博物館」の前には、気持ち良さそうにまどろんでいるネコがいた。

チェンマイ、ワット・チェディ・ルアンの境内には、ハトがいた。

ミャンマーの国境近くの建物の上には、大勢のハトが羽を休めていた。

ラオスの小さな村には、ニワトリもいた。

そう言えば、ウィアン・クム・カーム遺跡の原っぱでは、アヒルも見かけた。

その近くには、ウマもいた。顔は見えないが、痩せた馬が草を食んでいた。

ウシは見かけなかった。これは、角の形から見て水牛であろう。
タイガー・キングダムを出て歩いていたら、左の方から現れた。前の方に犬もいるが。

3頭いるようだ。黒い犬は、方向を変えた。

小さな川沿いの道を、3頭の水牛、縦に並びゆっくりと歩み去った。
王宮の中ではなくとも、ごく普通の動物や鳥たちの営み、あちこちで見うけられた。チェンマイやタイ北部、また、隣り合わせの国々で。