北泰紀行(14) 黄金の三角地帯。

メーサイから30分ばかり、ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)がある。メコンの流れを挟み、タイ、ラオス、ミャンマーが国境を接するところ。
今は観光ポイントとなっているが、本来のゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)、一地点ではなく、北部タイからラオス西部、ミャンマー東部一帯を指す。何より、ゴールデン・トライアングルと言えば、世界最大のアヘン(阿片)の産地であった。つい20年ほど前までは、麻薬王・クン・サーが君臨していた地でもある。
しかし、今では、きれいさっぱり洗い流され、観光バスなどが訪れる地となっている。それは結構なことだ。しかし、芥子(ケシ)栽培はどこへ行ったのか。あのアフガニスタンだ。現在、世界に出回っているアヘンの大部分は、今も戦乱が続くアフガンの地で作られている。
元日のブログでも触れたが、アフガン情勢、このような面にも波及している。これは、結構なことではない。
だが、今は、それは措く。

こういう看板があった。ゴールデン・トライアングルだ。
右下に見えるのはラオス、正面に見えるのがミャンマーだ。

こういう看板も。
手前がタイ。右奥の金色の建物が見えるのがラオス。左手奥に赤い屋根が見えるのがミャンマー。
岸辺には、小さな舟が舫っている。

近寄ると、こうである。いわゆるインドシナ全域が描かれている。
中央部、赤い▲印がゴールデン・トライアングル。「貴方は、ここにいる」、と書かれている。
中央部がタイ、その左上がミャンマー、右側がラオス、その上は中国、タイの右下はカンボジア、その右は南シナ海に面するベトナム。蛇行する濃紺の太い線が、メコン川だ。
メコン川、チベット高原に源を発し、中国各地、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、そして、ベトナムのデルタ地帯から南シナ海に流れこむ。総延長、4500キロ以上に及ぶ国際河川である。だから、看板にも、「メコン 私たちの川、私たちの命」、とも記されている。
それにしても、この看板、あちこちが破れ風情があるな。

この看板は、解かりやすいので、主要部のみ拡大しよう。
中央のやや薄いピンクの▲が、今いるところ。前日泊まったメーサイ(MAESAI)は、その左の方にある。
下はタイ、薄い紫色はラオス、濃紺はミャンマー、上方のピンクは中国だ。中国国境までも近い。

メコン川、広くゆったりと流れている。
上の方の右側がラオス、左側がミャンマーだ。このような舟が走っている。

少し歩くと、黄金の大仏さまがある。背中にやはり黄金の飾りをつけた象の像も。

正面に廻ると、階段の上の大仏さま、金色に輝いている。

大仏さまの下には、このような仏さまが。

タイの人は、とても敬虔な仏教徒。灯明を灯し、お祈りをしている人も多い。

国王と王妃の写真も、もちろん、ある。黄色と青色の布がかけられている。黄色は国王旗の、青色は王妃の旗の色だ。
このこと、Tから教わっていた。タイには、不敬罪がある、ということも。

こういうゾウさんもいた。
このゾウさんは、背中に金色と白色の飾りを乗せていた。

大きな龍のような形をしたものもあった。
おそらく、昔の宮廷の舟を模したものだと思う。川の向こうは、ラオスである。

ゴールデン・トライアングル、さまざまな看板が立っていた。それらが、みな面白いんだ。風情がある、どことなく。で、あと幾つか載せてみよう。
下の黒っぽいところがタイ、右側の橙色がラオス、左がミャンマー。中央部の小さな点がゴールデン・トライアングル。

色が違うが、これも。

この看板は、今までのものに較べてやや風情に欠けるが、新しいものであろう。
それにしても、中国は、すぐそこだな。
彼ら、ゴールデン・トライアングル、黄金の三角地帯の3カ国も、気苦労は多かろう。