戦い。

夕刻外出し、8時過ぎに戻ると、既に、1対0となっている。
カミさん、日本が勝っている、という。それは、見れば解かるが、少し驚いた。岡崎が点を入れた、と言う。
どうも、監督としての旬は過ぎているらしいが、人のよさそうなイタリア人監督の第一戦。初陣がアルゼンチン戦とは、荷が重かろう、ちょっと気の毒だな、と思っていたが、勝負事、やってみなければわからない。

時間は判らないが、私が見だした後、本田のフリーキック。
本田、W杯の後、ノーゴールだそうだ。ロシアリーグでも入れていない、という。今日は、狙っていた、と思うのだが、今日も不発であった。しかし、やはり、存在感はある。

途中で出た、岡崎のシュートのリプレイ。前半19分だそうだ。
長谷部のシュートが、相手キーパーにはじかれ、そのこぼれ球を、詰めていた岡崎が蹴りこんだ。岡崎、FWのスペシャリストとして、一瞬の反応、鋭いものがある。

その岡崎に飛びつく森本。
スキンヘッドの森本、ついこの間までは、若手といわれていたが、世代交代が進む今のジャパンでは、中核のひとりだ。飛びつくばかりじゃなく、飛びつかれる方に、早くなってもらいたい。

前半途中のザッケローニ。手応えを感じているようだ。
前半は、1対0で折り返す。

後半に入る。ピッチに入ってくるメッシ。メッシ自身の、また、アルゼンチンのゴールがない故か、重い感じがした。
今日のメッシ、シュートも放ち、ディフェンダーを抜き去るドリブルも見せた。しかし、その切れ味の冴え、今ひとつであった。

W杯では、登場機会がなく、ずっとベンチを温めていた香川、その後、ヨーロッパに渡り、大活躍をしている。
その香川のシュート・シーン。決まらなかったが、彼の動き、たしかに非凡なものがある。シュートばかりでなく、前線でのボールの支配でも。今日も、何人もに囲まれながら、ボールをキープし続けた場面があった。
香川ばかりでなく、内田、前田、サッカーは、テストマッチ以外観ていない私には、目新しい選手が出てきていた。
そういえば、松井は怪我でということらしいが、闘莉王も中澤も出ていなかった。ザッケローニ・ジャパン、一気に世代交代が進んでいるものとみえる。

この男もそう。
後半、今や日本の守護神となった川島が、負傷退場した後のゴールキーパー、西川だ。

後半ロスタイム、アルゼンチン最後のチャンス、フリーキックを得る。
メッシが狙うも、日本の壁に当たり、万事休す。日本が勝つ。今まで、6戦して全敗の日本が、7戦目にして、初めてアルゼンチンを下す。FIFAランク世界5位のアルゼンチンを。

最後に、私が好きな、長友を載せておこう。
彼も、W杯の後、イタリア、セリエAに渡り、大活躍している。どのような世界でも言えることだが、若者は、世界に打って出てもらいたい。学問の世界でも、スポーツの世界でも、また、その他の世界でも。
一昨日、ノーベル賞を受けたパデュー大学の根岸教授も言っていた。日本の若い研究者がもっと海外に渡ってもらいたい、と。日本の環境が、心地よいのであろう、と言っていたが、これはイロニー、皮肉、と受け止めなければならない。日本の若者、外へ出ろ。
そういえば、ノーベル平和賞に、中国の反体制派、民主活動家の劉曉波が、今日選ばれた。彼も、戦う男である。
中国政府は、反発しているという。国家政権転覆扇動罪で、懲役11年を課し、刑務所に閉じこめている男だから。ノーベル平和賞を冒涜するもの、なんてことも言っている。そればかりか、事前に、ノルウェー政府に圧力もかけている。情けないことをするものだ。いい加減に目を覚ませ、と言いたい。
経済は、確かに発展している。歪ではあるが。しかし、今の政治形態は護りたい、という考え、この先、持つわけがない。反体制派をいくら捕まえ、投獄しようとも。
2008年12月10日に発表された、劉曉波が中心となって記載したという、「08憲章」を読んでみた。前文以下、少し長いものだが、要するに、共産党一党独裁をやめ、三権分立、さらに、言論の自由な体制に、というものだ。当たり前のことである。
この「08憲章」発表の前日、劉曉波は逮捕されたという。劉曉波、天安門世代ではない。王丹、ウーアルカイシなどの天安門世代からは、少し上の世代である。天安門世代をサポートした世代である。天安門事件の後、その主導者のほとんどが、海外に逃れたのに対し、劉曉波は、中国国内に留まり、体制批判を続けてきた。立派な、頭の下がる男だ。
今の中国の指導層に対し、戦いを挑んでいる。ガチンコの戦いを。
こんなことを考えた。
中国の近現代史を考えてみる。最大のヒーローは、毛沢東である。これは、毛沢東の評価が今後どうなろうとも(おそらく、そうなるが)変わらないであろう。しかし、毛沢東のような人は、その時代によって生まれるもの、とも考える。凄い男ではあるが、時代によって生み出される、と。驚きではない。
だが、訒小平は違うのじゃないか、と考える。訒小平は、中国を、ガラッと変えてしまった。経済の面で。結果としては、建前と現実が、まったく異なる社会を作ってしまったが。社会主義国だといいながら、極端な資本主義国になったが。国民の経済格差なんてことには、目を瞑って。
しかし、今の中国、やはり、訒小平が必要だ。第二の訒小平が。第二の訒小平には、政治改革をやってもらう。共産党一党独裁をやめる。きっちりとした三権分立を確立する。もちろん、言論はじめ、すべての自由を認める。
こういうこと、毛沢東では、ダメだろう。しかし、訒小平では、できるであろう。だから、第二の訒小平が必要だ。
何時になるのか、中国駐在のノルウェー大使を呼び出し、抗議しているような今の政権幹部ではなく。
アルゼンチンとのサッカーを見ていたら、劉曉波のノーベル平和賞受賞を知り、だんだん別方向に行ってしまい、とりとめなくなってきた。
焼酎の水割りを飲みながらであるので、何を書いたのかも、だんだん解からなくなってきた。この辺で、止めよう。