スマート。

一昨日ピョンヤンに入ったジミー・カーター、今日出国した。北朝鮮に拘束されていた米国人を連れて。
空港への出迎え、見送りは、6カ国協議代表の金桂冠だったようだ。私人としての訪問であるから、こういうものかもしれない。もちろん、カーターが行くからには、米朝政府間の事前の調整が纏まっていたこと、当然であるが。
一昨日着いた日には、ナンバー2の金永南と会談をしている。6カ国協議再開問題を話し合ったそうだ。
どういうわけだか、金正日は、昨日、汽車で中国へ行った。よっぽど急を要することでもあったのか、カーターと会うのを避けたのか。今、北朝鮮の対外的なプライオリティーは、一に中国、二にアメリカであろう。私人の資格とはいえ、そのアメリカの元大統領と会うのを避けた金正日の行動、よく解からぬことである。もっとも金正日のやること、わけの解からぬことばかりであるが。
丁度一年前、ビル・クリントンがやはりピョンヤンを訪れ、拘束されていた米国人二人を連れ帰った。その時には、金正日とも会っているが、やはりクリントンは、私人としての資格であった。もちろん、両国政府間の事前の綿密な折衝の上に立ってのことであるが、アメリカ政府の元大統領の使い方は上手い。元トップも、よく応える。
それにしても、ビル・クリントンにしろ、ジミー・カーターにしろ、スマートだ。その手だて、やり口、洗練されている。英語での本来の字義通りのスマートさ。