よくも言えるよ。

この男には恥の観念がないらしい。「私たちは一つの国家であり、他人の痛みは自らの痛みです」なんて、よくも恥ずかしくもなく言えるものである。
国家を分断させたのは、いったいどこのどいつなんだ。「他人の痛みは自らの痛みです」に至っては、それこそまさに「臍が茶を沸かす」。
昨夜半のドナルド・トランプの大統領就任式、酒を飲みながら苦い思いで見ていた。
NHKの中継映像、ABCの映像を流していた。

就任式場となる連邦議会議事堂の前には、多くの人が集まっている。
8年前のバラク・オバマの就任式の時には180万人の人であったそうだ。しかし、今回のトランプの就任式に集まった人はその半分にいくかどうか、という程度。それも当然、就任時の支持率が過去40年間で最低の40%しかないんだから。

来ている人もほとんど白人。黒人やアジア系の人は非常に少ない。ヒスパニックも、当然。

ビル・クリントンとヒラリー、隣にはジョージ・W・ブッシュの顔も見える。パパブッシュは入院しているそうだ。ジミー・カーターも来ているようだが見かけなかった。
ヒラリー、時折り笑顔も見せていたが、腹の中は煮えくり返っていただろう。出席する理由をこうつぶやいている。「私たちの民主主義とその恒久の価値観に敬意を示すために」、と。「民主主義とその恒久の価値観」なんて、それこそエスタブリッシュメントの証し、多くの白人ブルーカラーの反発を受ける言葉であり、そこをトランプが上手く突いたところでもある。

正副大統領としての最後の姿、オバマとバイデンが入ってくる。

最後に新大統領となるドナルド・トランプが登場する。
トランプ、やや硬い表情であった。

トランプ、宣誓。
日本時間午前2時、アメリカ東部時間20日正午。

トランプ、就任演説。16分程度。
”Make America Great Again”、「アメリカ ファースト」を叫ぶ。
過去何十年もの間、アメリカ国民は虐げられてきた、忘れ去られていた、と言う。犠牲になっていた、と。豊かなのはワシントンのエスタブリッシュメントだけだ、と。
過去何十年って、その時代の為政者は気を悪くするだろう。仮にその何十年を、1977年就任の第39代大統領であるジミー・カーター以降とすると、ロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュ、ビル・クリントン、ブッシュ・ジュニア、そしてバラク・オバマとなる。この40年間6人の大統領、皆さんを貶めているようなもの。よくも言えるよ。
「アメリカ ファースト、アメリカ ファースト」と叫ぶトランプ、個人への不寛容を国家間においても不寛容に持っていくことらしい。
以前から言っていたが、今日早速、その他者への不寛容、反グローバリズムの大統領令に署名している。オバマケアの見直し、TPPからの撤退、NAFTA再交渉、と。
当然のことに反トランプのデモは、ワシントンばかりでなく全米各地で起こっている。アメリカばかりじゃなく世界各地で。
そんなワケの分からないヤツは放っておけ、捨ておけってワケにはいかないからね、アメリカの大統領なんだから。困ったものだが、仕方がない。
ヘンなアメリカ大統領が誕生した。

前副大統領は車でその場を離れるが、前大統領は軍のヘリコプターでアンドリューズ空軍基地に飛びワシントンを離れる。

オバマ夫妻を乗せたヘリコプター、飛び立った。
これからトランプ狂騒曲が始まる。生きてる限り、それが目に入るのが辛いな。
3時頃であったろうか、悪酔いもし、ここらあたりで寝た。




正直言って稀勢の里の優勝、今日決まるとは思っていなかった。
トランプ就任式という悪食を食った後の口直しとなった。