米軍。

昨日夜のニュースで、アレッと思ったことがある。アメリカ軍戦闘部隊のイラクからの撤退が完了した、と言っていたので。
おかしいな、アメリカ軍、まだまだイラクに居るんじゃないか、と思って。たしかに、まだ5万人強のアメリカ軍、残っている。彼らは、イラクの治安部隊の訓練や後方支援のためのものだそうだ。
2003年3月のイラク進攻以来7年半近く、米兵の死者は4400人強。負傷者の数は、その何倍なんてものではないだろう。PTSDになった者も測り知れないだろう。イラク人の死者や負傷者の数は、数えることもできないのじゃないか。
すべては、9.11から始まった。しかし、イラクへの進攻は、ガセネタを信じたところから始まった。ブッシュ、ネオコンの連中に乗せられた。チェイニーやラムズフェルドやウォルフォウィッツといった連中に。ネオコンの連中、ガセネタを信じたというより、利用した。大量破壊兵器があるとか、アルカイダと繋がっている、とか言って。
悪党、サダム・フセインは、やっつけた。しかし、後には、何も出てこない。殺し合いのみが続いた。対テロ戦争とはそういうものだ、ということかもしれない。数日前にもバグダッドで60人以上が死んだ自爆テロが起こっている。際限がない。
だが、翻って、いかに悪党だとはいえ、サダムを成敗する権利がアメリカにあったのか、ということも素朴な疑問である。もちろん、形としては、サダムの裁判、処刑は、イラク人の手によって行われたが。
3月に行われたイラク国民議会選挙、過半数を取った政党はなかった。当然、連立となる。しかし、半年近く経った今、連立協議打ち切り、とのこと。考えられないこと。日本の政権がゴタゴタしていることなど、ゴタゴタの内に入らない。イラクの情勢はそういうもののようだ。
しかし、まだイラクに駐留している米軍、約5万の支援部隊も、予定通り撤退するのがよい、と考える。オバマが約束した来年末までには。後は、イラク人に任せる。自国のことは、その国の人に。
それよりオバマ、アフガンへの派兵、この1年半少しの間に、3倍以上に増やしている。今、10万を越える米兵がアフガンに駐留する。
オバマのこの戦略、正しいのか。私は心配である。私ごときがどうこう言っても、詮無いことではあるが。