ロゴと国旗。


今回のワールドカップ中継の冒頭には、まずこのロゴマークが出てくる。
動きのあるデザインである。躍動感が溢れている。使われている色は、濃淡はあるが、黒、赤、青、緑、黄、そして、白の6色。
開催国・南アフリカの国旗で使われている色と同じ色、6色を使ったものだそうだ。
南アフリカの国旗、シンプルな色づかいではあったが、「白地に赤く」、の日本の国旗などに較べると、複雑といえば複雑だったな、と思い、世界の国旗を作っている旗屋さんのHPを見てみた。こういうものであった。

三原色は入っているし、原色ベタな色づかいである。
旗屋さんの説明によると、1994年(一昨日にも記したが、ネルソン・マンデラが南アフリカ初の黒人大統領となった年だ)、公募によって決められたものだそうだ。
黒は黒人を、白は白人を、赤はアパルトヘイト撤廃闘争で流された多くの血を表わし、緑と黄と青は、農業、鉱業(南アフリカは、金やダイヤモンドの産出国として著名)、漁業を表わしている、という。
また、Yの字が横になっているような形は、各人種や民族が一致協力して前に進んで行こう、という意だそうだ。
また、別のところでは、黒と緑と黄は、マンデラが率いて闘った組織、「アフリカ民族会議」の旗の色であり、赤と青と白は、旧宗主国である、オランダとイギリスの国旗の色で、それを合わせたもの、ともあった。
南アフリカの国旗、さまざまな意味合いを孕んでいる。
今回のワールドカップ、アフリカからは南アフリカの他、ナイジェリア、ガーナ、カメルーン、コートジボアール、それに、北アフリカ、アラブ圏のアルジェリアを含め、計6カ国が出場している。
それらの国の国旗を見てみたら、ひとつだけ共通点があった。いずれの国の国旗にも、緑が入っている。アフリカの大地、豊かな緑もあろうが、乾燥地も多い。おそらく、緑への希求が強いんだ。
それと共に、あとひとつ面白いことに気がついた。日本の国旗は、もちろん、白地に真っ赤な日輪、白と赤の2色のみ。単純といえば単純だが、深いといえば深い。
しかし、白と赤の2色のみの国旗が、他にも、日本を含め4カ国もあった。スイス、イングランド、デンマーク、いずれも白と赤のみである。
スイスは、これは知ってはいたが、赤地に白の十字。ちょうど赤十字の旗を反転させたようなもの。イングランドは、白地に赤の十字。デンマークは、赤地に白の十字であるが、十字の縦棒が左1/3によっている。
僅か32カ国しか出ていないワールドカップの出場国、その内の4カ国の国旗が、白と赤の2色のみを使ったもの、というのも面白い。200近い世界の国々、その国旗が白と赤の2色のみという国は、すぐには思い浮かばない。あったとしても、せいぜいあと2つか3つであろう。碌でもないことではあるが、面白いといえば面白い。
あとひとつ、なぜイギリスではなく、イングランドなのか、ということも解かった。UK(連合王国、いわゆるイギリス)ではなくて、その構成員のひとつのイングランドなんだ。
ということは、UKを構成するウェールズも、スコットランドも、さらには、北アイルランドもそれぞれ一国なんだな、と思い調べると、たしかにそうであった。FIFAにもそれぞれが加盟している。ラグビーでは、この4カ国にフランスを加えた5カ国対抗戦があるので知ってはいたが、さすがサッカー発祥の地、ボールゲームの世界では、古い形が認められているんだ。UKの各構成国には。
今日のゲームでは、セルビアとガーナの試合が面白かった。
両チーム共、その技量は驚くほど高い。選手の身体をみても、筋肉の塊り、という感じを受ける。その試合、とてもグレードの高いゲームであった。はっきり言って、両チーム共、日本とはレベルが違うな、と思った。
ゲーム自体は、後半29分、セルビアがイエローカード2枚で退場者を出し、一人少なくなった。だが、その後セルビアは再三再四ガーナゴールに猛攻をかける。が、その後、後半39分ハンドを犯し、、ガーナにペナルティーキックを与え、ガーナのストライカー・ギャンに、強烈な球を決められる。
結局1対0でガーナが勝つが、これぞ世界レベル、という迫力に充ちたゲームであった。

試合終了後、ガーナの選手が、ピッチを走っていた。この選手、ゴールを決めたギャンではないが、ガーナの国旗を持って走っていた。
ガーナの国旗、赤、黄、緑、中央の星は、黒。すべてアフリカの色だ。