岡田ジャパン、勝つ。


岡田ジャパン、ついに勝った。厳しいといわれていた初戦に勝った。
岡田ジャパンというよりも、岡田武史、ついに勝った、と言いたい。岡田、嬉しいだろう。ひと月ちょっと前、岡田が招集メンバーを発表した時には、ワールドカップの初戦、このようなメンバーで戦うなんてことは、考えてもいなかったのだから。
ゲームキャプテンは俊輔、ワントップのフォワードは岡崎、ゴールキーパーは楢崎だったんだから。その構想が崩れた。テストマッチで勝てない。点は取れない、失点はする。4連敗。
岡田じゃだめだ、”カメルーン戦に負けたら、岡田、電撃解任も”、なんて記事もあった。

試合前の岡田、厳しい顔つきであった。

今日の先発メンバー。ひと月前とは、ガラリと変わっている。ほんの10日ほど前に変更した布陣だ。
ワントップの位置には、モスクワでプレーをするプラチナヘアーの本田圭佑、ゴールキーパーは川島永嗣、ゲームキャプテンは、長谷部誠。俊輔や岡崎や楢崎の名は、先発メンバーにはない。

その選手たち。

ゲーム前の両軍選手の挨拶。
黄色いシャツに青いキャプテンマークを巻いているのが、カメルーンのエース・エトー。
貧しさの中、食うや食わずの少年期を過ごしながらサッカーに賭け、ヨーロッパに引っぱられたカメルーンの星だという。今では、年俸10億を取る、世界屈指のストライカーのひとり。今日のゲーム、いかにエトーを押さえるかがカギだ。

前半39分、松井のクロスボールを本田がワントラップ。

落ちついてゴールへ蹴りこむ。日本、先制した。

NHKに出ていた元ワールドカップ選手の森島寛晃の解説によれば、こういう流れのようだ。
本田と大久保が、ゴール前につめている。本田は、今日ヒーローとなったが、大久保の働きも凄かった。

その瞬間、岡田、こういう顔をする。岡田のこんな顔、久しく見ていない。
ガッツポーズの手も、血管が浮き出るくらい固く握りしめていた。

今日のゲーム、ゴールキーパーの川島もよく働いた。こんな場面もあった。
後半、パワープレーで怒涛の如く攻めてくるカメルーンの猛攻を、よく防いだ。

試合終了間近か、岡田、最後の声をふりしぼっている。

ついに、日本勝つ。暫く前までは正ゴールキーパーであった楢崎と、第3キーパーであり、チームのまとめ役でもある川口も嬉しそうだ。

シュートを決めた本田は、コーチなのか控えの選手なのか、抱き合っている。

NHKで流れたゲーム後の本田のインタビュー。本田、こう言っている。
これでグループリーグ突破ではない。だれが出るか、勝負の世界なので仕方ないが、点を入れたらベンチへ行こうと決めていた。出られない選手のところに。今日の勝利は、次への第一歩にすぎない、と。
まだ23、4の本田、ニクイことを言う。

こんな映像も出てきた。
よく見ると、岡田武史の顔をプリントしてある。
その岡田、こう言っていた。
この試合の終了のホイッスルは、次の試合の始まりのホイッスルである、と思っている。選手たちには、お疲れさまぐらいは言うが。次のオランダは、こんなものじゃない、と。