住人、入れ替わる。

ダウニング街10番地、ナンバー10の住人が入れ替わった。

選挙が終わった後、4〜5日連立工作が続いていたイギリスの政局、ケリがついた。過半数には届かなかったが、第一党となった保守党が、13年ぶりに政権に返り咲いた。
保守党党首のキャメロンは、第3党の自由民主党との連立協議に成功、第2党に転落、連立工作も失敗に終わった、労働党党首のブラウンは、党首の座を降りた。
第二次対戦中の、チャーチルによる挙国一致内閣以来の連立政権だという。そうだろうな。2大政党制のお手本、と思ってきたんだから、私たちは。イギリスに倣って、2大政党制を目指してきた日本(現実には、それとはかけ離れているが)も、少し考えるべきかもしれないな。2大政党制の功罪を。
日本の場合は、比例代表があるので、まだいいが、単純小選挙区制のイギリスでは、今までも果たして国民の民意が生かされてきたのか、という疑問が残る。
今回の選挙結果、議席では47%を取った保守党の得票率は36%、40%の議席数の労働党の得票率は29%、得票率では23%も取りながら、自由民主党の議席数は9%にすぎない。それでも、1割にも満たない議席数ながら、過半数を獲得した政党がなかったから、自民党はキャスティングボートを握れた。
しかし、仮に、保守党が過半数の議席を得ていたら、1/4近くの支持を得ていながら、イギリス自由民主党の政策は、生かされなくなる。2大政党制の、そして、小選挙区制の怖いところでもあろう。
ハング・パーラメントなんて言葉も、初めて知った。民主党も自民党もだらしないこれからの日本、ハング・パーラメントの状態が続くのであろう。
それはともかく、ナンバー10のウェブサイトを見てみた。
トップに、長椅子に座ったデイビッド・キャメロンが、バラク・オバマからの電話を受けている写真が出ていた。
UK、連合王国であり、”君臨すれども統治せず”、ではあるが、”女王陛下の政府(Her Majesty's Goverment)"、という言葉もそこにはあった。大英帝国の残り香を感じる。
それにしても、キャメロン、43歳、若い。オバマは48歳、プーチンから一本立ちしていないじゃないかと言われるが、メドベージェフも44歳。若ければいい、というわけではないが、やはり、デイビッド・キャメロン、清新な感じを受ける。