東京駅界隈。

昨日、病院へ行き、その近所の公園へ桜木の様子を見に行き、その後、日本橋へ行った。
特に決めた時間に行かねばならぬ用でもないので、東京駅に着いた時、今月開館したばかりの、三菱一号館美術館へ寄ろうと思い、丸の内の方へ降りた。
赤レンガの三菱村の一号館、ジョサイア・コンドルが設計し、1894年に竣工した。イギリス・ヴィクトリア時代のクイーン・アン・スタイルというそうだ。それを忠実に復元し、美術館とした。
工事中の丸の内側へ出ると、あちこちカバーが掛っているが、そこを抜けると、ウン、丸の内という風景となる。

丸の内の三菱村の古いビル、下部の外装はそのまま残し、その上部に高層の建物を造る。だから、腰巻きを巻いたような感じを受ける。あまりいい表現ではないが、そう見える。
左から、三菱ビル、丸ビル、そして、少し見える茶色っぽいビルは新丸ビル。いずれも、腰巻きビルだ。中へ入ると、すごくオシャレで、超近代的なビルだが。

三菱ビルを入った吹きぬけのところには、三菱一号館美術館の開館記念の「マネとモダン・パリ」展の大きなスクリーンが下がっていた。その右に見えるエレベーターもオシャレだし。

こういうスクリーンも下がっていた。三菱の底力だな。

三菱一号館美術館。
三菱ブリック・スクエアの一角に、3〜4階の低層のこの建物はある。
中庭もある。小さな桜木もあった。まだ、花をつけていた。
土曜日、休日とあって、丸の内には人はそう多くはないが、美術館のチケットオフィスの前は、大勢の人が並んでいた。凄い人気だ。日本人の印象派好き、ということもあろうが、一号館の復元、というレトロ感が、多くの人を引き寄せているのだろう。
7月末までやっているし、混雑の中で観るのもいやなので、入るのはやめた。

赤レンガの一号館美術館と、高層の三菱ブリック・スクエアビル。
ブリック・スクエアとは、レンガの広場とでもいう意味。レンガ造りは、一号館美術館だけなんだが、近代的な高層ビルも、ブリックだ。丸の内の三菱村に於いては。

すぐ裏の、丸の内仲通り。
三菱村といわれ、一丁ロンドンともいわれた丸の内、行幸通りから有楽町までの仲通りは、とても美しい。とてもシック。千葉の田舎者には、眩しいくらいに。
落ちついた美しさがある。本家のロンドンに負けないんじゃないか。

古くからの老舗や、ミキモトも含め、世界のあらゆる著名ブランドの名店が軒を連ね、ロンドンの中でも別格の通りといわれるボンド・ストリートは、こうである。
2年少し前に撮った写真であるが、今でもそうは変わらないであろう。

これも、昨日の丸の内仲通り。
ボンド・ストリートと較べると、コンクリート造が多いことと、高層の建物が多いことだろうか、三菱村の仲通りには。だが、これはしかたがない、ボンド・ストリートに負けても。
しかし、シックな感じにおいては、仲通りの方が勝っているように思える。田舎者の私には。
その後、八重洲のほうに出、日本橋の丸善に行った。
途中、さくら通りを通って行ったが、先月の末に触れた桜木は、桜花どころか桜蘂も見られず、完全な葉桜の様相を呈していた。

日本橋丸善のショーウインド。
岡本明子のガラス・ジュエリー作品展のポスターがある。
ステンドグラスや、小さなトルソに掛けられた、ペンダント様の作品も飾られていた。

上から見ると、三角錐のランプシェード。
ミロかと思ったが、そうではない。岡本の作品だ。温かい光が漏れていた。

ガラス胎のランプシェード。淡い光が漏れる、シックで優美な作品だ。

作家の岡本に、貴女はどの作品が好きか、と聞くと、これだという。私には、他の作品の方が、美しく感じたのだが。
やはり、ランプシェードであるが、私には、どうもな、という感じがある。おそらく、制作に手間ひまがかかり、苦労したのであろう。それで、愛着の感ひとしお、ということではないのかな。

これもランプシェード。半円球の作品。ステンドグラスだな。
ガラスを通して温もりのある光が漏れ、心安らぐ作品である。

このような作品もあった。鏡だ。
ミラーの周り、ガラス加工されている。作家の岡本が、ウォームガラスと呼んでいる技法の作品ではないか。
ミラーには、丸善の店内が映りこんでいる。私には、面白く思えた。
後で、新書を何冊か買った。
レジカウンターのところに行くと、それぞれの店員の横に、あの『1Q84』のブック3が、4〜5冊ずつ積んであった。
スーパーの野菜のような感じがした。