小さな丘の桜。

好天。気温も20度を越える。
半月ほど前には、蕾もほとんど見られず、10日前にも、薄っすらとした蕾がちらほら、かろうじて小さな花が幾つか見られた、という状態であった、近所の小さな丘へ行く。もう、いいだろう、と思って。
10日前には、東京の桜にだいぶ遅れをとっていたが、満開となっていた。咲くとなると、バッとやるんだ。八重洲のさくら通りや、目黒川や、上野の山、に引けをとらない、咲きっぷりであった。知名度は、まったく違うが。
その小さな丘の桜、このようなもの。

このような小さな丘。その片側の斜面に、桜木が植わっている。
この右側に、丘の上の小さな神社へつながる石段があり、左の道を進むと、途中に入口がある。

入口に小さな広場がある。ベンチも幾つかあり、右端の下には、青いスベリ台も見えている。
いつの間にやら、雪洞も吊るされている。地域限定、ローカルな花見所なのだ。

スベリ台では、若いお母さんに連れられた、小さな子供が、遊んでいた。

丘の中、このような道が何本かある。

子供が、駈け登ってきた。アッという間に、追い越していった。

丘の半ばから、下の方を見ると、桜木を通して、すぐそこの民家が透けて見える。

ウイークデーなので、いわゆる花見の人は、ほとんどいない。ひと組みだけ、10人ばかりの人が、青いシートの上に座っているのが見られたのみ。年配の女性ばかりのグループだった。そりゃそうだはな。
だが、今年は来なかったが、例年、土日には、そこそこ多くの人が、あちこちにシートを敷いて、花見の宴を開いている。先日の土日は、そこそこ近所の人が来ていたであろう。が、今度の土日は、どうであろうか。花もギリギリ、という状況であろうから。
私もそうだが、今日は、カメラを持ったジイさんを、3〜4人見かけた。内ひとりは、大きなカメラを付けた三脚を担いでいた。近所に住む写真自慢なんだろう。犬の散歩をしている人も、何人かいた。犬の散歩には、いいコースだ、ここは。

名木と言われるものなど、もちろん無く、数もそう多くはない。だが、桜木は、ましてや、桜花は、不思議な思いを人にもたらす。
どのような地の、どのような桜木、どのような桜花、であろうとも。