八重桜。

近所の桜木、ほとんど散った。ソメイヨシノには、ポツリポツリと残花が見られるのみ。

数は少ないが、赤味の勝った花をつけている桜木は今が盛り。

名前は知らないが、八重桜。
すべり台やブランコで小さな子供が遊ぶ近場の小公園、ソメイヨシノの間に間に八重桜を植えてある。

近寄ると、ハデすぎる。桜じゃないみたい。
これじゃ牡丹か芍薬だ。色も形も、どこか、大陸を思わせる。日本の花ではない感じ。少なくとも、桜じゃない感を抱く。

白い八重桜もある。この桜木は、まだこれから、という風情。

赤味の強い木に較べ、白花は、同じ八重咲きとはいってもまだしもか。
しかし、やはり、違う。
朝日ではなく、夕刻の日である。山桜でもなく、おそらく、園芸作出種であろう。しかし、敷島の大和心には、やはり、五弁、一重の桜花が相応しい。八重の桜花は重すぎる。
五弁、一重の桜花であってこそ、潔い。それでこそ、敷島の大和心。八重の桜木には、何の罪もないことだが。