理想的な継承。

春場所、荒れることなく、白鵬が優勝した。15戦全勝。
朝青龍がいなくなった今、当然であろう。彼一人のみが、頭抜けているのだから。
それよりも、把瑠都が、14勝1敗で大関昇進を決めたことの方が、相撲協会にとっては、嬉しいことだろう。朝青龍に変わる顔が、時間を空けることなく、できたのだから。ヒール人気の朝青龍と、どこか、”気は優しくて力持ち”といった印象がある把瑠都とは、まったく異なるタイプのスターということも、かえって良かったかもしれない。
それにしても、把瑠都を倒す者、白鵬以外誰もいない、というのも困ったものではあるが、相撲協会、短期的には危機を乗り越えた。朝青龍の抜けた穴、こんなにすんなりと埋められるものとは、思ってなかっただろうから。相撲人気の継承、理想的な形で為されたのではないか。
案ずるより産むがやすし、ということだろう。満員御礼の垂れ幕も、8日間下がっていたし。興行面の心配も避けられた。
今ごろ、白鵬や把瑠都は、それぞれ祝杯をあげているのだろうが、それよりも、理事長以下、相撲協会の幹部連中も祝杯をあげているだろう。
もしかしたら、相撲協会の皆さん方の打ち上げの方が、白鵬や把瑠都以上に、盛り上がっているのじゃないかな。良かった、と言って。ついでに、虚仮にされ続けてきた、朝青龍の悪口も言って。