久しぶりの相撲、そして、澤。

半年ぶりの相撲中継、今日、初日。

役力士を従えた理事長・放駒、まずは、震災地への見舞いの言葉を述べた。次いで、八百長問題への詫びと再生を。

白鵬の土俵入り。不知火型の雄大なせりあがり、健在。

今場所の上位陣、こういう番付。
朝青龍の記録を破る、白鵬の8連覇。千代の富士の記録を抜く、魁皇の通算勝ち星1046勝。今場所の目玉は、この二つ。
共に、達成されるのは間違いない。

あとひとつ、琴奨菊の大関取りもかかっている。
琴奨菊、前二場所の合計勝ち星21を挙げている。今場所12勝すれば、久しぶりの日本人大関の誕生となろう。だが、何としたこと、相性のいい豊ノ島に敗れた。両差しを許し、ガブリ寄られて。自らの十八番を、逆に取られてしまった。大関取り、はやくも、黄信号。
あと二人の関脇、鶴竜、稀勢の里は、共に勝つ。番付を少し下げているが、栃煌山も雅山の突っ張りを凌ぎ、勝った。豪栄道は、把瑠都につかまり、吊り出され、敗れる。ああなりゃ、仕方ない。
次の大関は彼らの中から、と私が見ている、これらの力士たちの初日の模様は、このようなもの。
しかし、白鵬ひとりが頭抜けている今の角界、大関取りには、絶好のチャンス。1年以内に新大関が誕生することは、間違いない。問題は、それが、またもモンゴル出身の鶴竜になるか、稀勢、奨菊以下の日本人になるか、ということのみ。
いや、私は、次の大関は何としても日本人に、なんてケチなことは思っていない。渋い鶴竜のファンでもあるし。
でき得れば、鶴竜、稀勢の里、それに、豪栄道あたりに、ドドンと引き続いて大関になってもらいたい、と考えている。把瑠都や琴欧州のような、大味な相撲取りじゃない、味のある名大関となるんだが。

それにつけても、魁皇の存在感は凄い。これは、花道の奥で、協会挨拶の出を待つ白鵬と魁皇。共に、緊張感が漂っている。
魁皇、先場所は、白鵬にも勝ち、二桁の勝ち星を挙げた。いずれも、久しぶりのこと。今日は、負けた。
しかし、今や、魁皇の勝ち負けなんて、さほどの問題ではない。8勝か9勝すればいい。今の魁皇ならば、それが許される。
私は、魁皇に対し、厳しい見方をしていた。魁皇、いつまでも取るなんて情けないぞ、大関の美学を示せ、と。しかし、今の魁皇、その存在感は、美学を超越している。立派なものだ。
少なくとも、稀勢や奨菊、豪栄道が大関になるまでは、魁皇の8勝は、10勝に勝る。
久しぶりに見る名古屋場所、私が秘かに「名古屋場所の女」、と呼んでいる女性も健在であった。土俵から4〜5列目、おそらく、粋き筋の人と思しき60代半ば過ぎの女性、今日も定位置に座っていた。絽か紗かは解からぬが、黒っぽいが涼しげなお召し物姿であった。名古屋場所だ。
女性といえば、ドイツでのサッカー女子ワ−ルドカップ。なでしこジャパン、二連覇中で三連覇を窺う地元ドイツを破った。W杯では、3年間負けなしのドイツを。
決勝ゴールとなった、キャプテン・澤からフォワード・丸山へのスルーパス、あれほど絶妙な連携は、男子のゲームでも見たことがない。