国別対抗戦。

今日の夕刊に、ロシアの選手があまりにも勝てないので、プーチンが怒っている、との記事がある。
もうオリンピックも終わろうというのに、今日までの金メダルは、たったの3個。以前なら、スケートのフィギュアだけでも、金の2つや3つを取っていたことがあるんだから。それが、金どころか、銀と銅がひとつずつしかない。メダルの総数でも、今日まで15。トップを行くアメリカの34には遠く及ばないどころか、オーストリアと並んで、同率5位。危うく、メダル総数14の、韓国にも抜かれるところだった。
これじゃ、プーチンが怒るのも、当然だ。スポーツ大国、ロシアの威信が傷つけられた、という思いもあるのだろうが、それより何より、次回の開催地・ソチは、プーチン自らが、IOCの総会に乗り込んで、もぎ取ってきたようなものだものな。「(今回の)真剣な分析と結論が、必要だ」、と言っているそうだ。大分カッカしているものとみえる。
惨敗したアイスホッケーの監督は、「赤の広場で、ギロチンか絞首台にでもかけてくれ」、と言っているそうだし、下院議長は、「メダルの総数が、4位以下なら、スポーツ担当大臣を更迭しろ」、と言っているらしい。プーチン以下、ロシア人は、あまりの不甲斐なさにカッカしてるんだ。
今4位の、ノルウェーのメダル総数は、20だから、ロシアがそれを抜くことは、もう不可能。気の毒に、ロシアのスポーツ担当の大臣、クビになるんだろう。
何のかのと言っても、オリンピックは、国別対抗戦のようなものなんだから。
その点、日本は、大らかだ。「国を背負って戦ってない。銅メダルを取ったぐらいで、ワーワー騒いで」、なんて怒っているのは、あの東京都知事ぐらいだものな。銀と銅、合わせて4つしかないメダルでも、メディアも国民も、「よくやった。感動した」、とか、「この銀メダルは、金メダルより素晴らしい」、なんて言っているんだから。平和だ。
金はないが、銀と銅、4つのメダルを取った。まあ、よくやったんじゃないか、と私も思っていた。これで終わりだな、と思っていた。ところが、今日、スケートのパシュート(団体追い抜き)があった。男は負けたが、女子は、準々決勝で韓国に勝ち、準決勝に進んだ。準決勝に勝てば、メダル確定だ。
この競技、知らなかったワケではないが、忘れていた。北海道の中学生、高木美帆が、選ばれた折り、個人戦と共に、団体戦にも登録される、と言われていたから、知ってはいた。だが、予選には出られるぐらいのものか、と思っていた。だから、ウッカリ忘れていたが、これが、見ると面白い。まさに、国別対抗戦なんだ。
2チームが、3人ずつ組みになって滑り、3番目の選手が、どちらが先着したかを競う。選手個々の力もさることながら、チームワークも求められる。3人の力が平均することが必要なようだ。日本の女子チーム、高木美帆は補欠にまわったが、出場した3人、上手かった。スケート強国、韓国を破ったんだから。
ところが、実は初めて知ったが、日本は、この種目、強いんだそうだ。世界ランク、3位なんだそうだ。さらに、世界ランク1位と2位のカナダとロシアが、準々決勝で敗れた。ということは、準決勝に勝ち上がったチームの中では、日本が一番格上のチームとなる。
解説者も言っていたが、日本が、メダルどころか、金メダルを取る可能性は、大いにある。
個人戦と違い、これこそ、まさに国別対抗戦。明日は、俄然面白くなってきた。