オレ流の二人。

貴乃花の二所一門からの離脱、理事選立候補については、来月1日の選挙当日に書こう、と思っていた。
また、朝青龍の場所中の泥酔問題も、報じられてはいたが、優勝もしたことだし、まあ、仲間内のゴタゴタにすぎないし、と思い、先日、楽日のブログでは触れなかった。酔っぱらって、取り巻きの連中を突きとばすぐらいのことは、あの朝青龍なら、別に、珍しいことではなかろう、と思っていた。
ところが、真相は、そうではないらしい。自身のマネージャーを突きとばした、と言われていたのが、一般の人を殴った、ということらしい。相手は、鼻の骨を折り、全治1カ月のケガ、告訴も考えているとのこと。示談の話し合いが行われているようだが、まだ纏まってはいない、とのこと。
ということは、朝青龍は、ウソをついていた、ということになる。親方の高砂にも、千秋楽の翌日、理事長に呼びつけられ厳重注意をくった時にも、その後、記者たちに話した時にも。朝青龍ファンばかりでなく、相撲ファンすべてに対し。これはいけない。相撲をというより、社会をなめている。
朝青龍は、オレ流の男である。勝てば文句あるまい、と思っている。勝ってきた。群を抜いて強い横綱であった。今でも、強い。白鵬がコケたとはいえ、今場所も優勝し、優勝回数は、歴代3位となった。立派なものだ。
近年の強い横綱でも、大鵬や貴乃花のような名横綱ではないし、北の湖や千代の富士のような大横綱とも違う。だが、私は、このような、強いヤンチャなヒール(悪役)横綱が好きなんだ。
だから、場所中に、白いベンツを改良したストレッチ・リムジンで、西麻布のクラブへ乗りつけ、明け方まで飲み続け、さほど寝ないで当日の土俵にあがる、というのも、褒められたものではないが、そんな男に負ける力士(この日負けたのは、北勝力だが)の方がだらしない、とも思う。
ついでながら、場所前の体重測定の折り、この白いストレッチ・リムジンから降りる朝青龍の映像があったが、あんなバカでかいリムジンに乗っている男は、日本中探しても、朝青龍だけだろう。その時に出てきた外車ディーラーの人は、おそらく、5000万ぐらいはするでしょう、と言っていた。ヒールの面目躍如だ。
ヒールは、ヒールでいい。オレ流は、オレ流でいい。この世の中、謹厳実直、クソ真面目な人間ばかりじゃ、面白くない。
だから、朝青龍は、朝青龍でいい。朝まで飲み続け、グデングデンになるまで酔っぱらっても、その日の土俵にあがり、勝てばいい。相撲取りなんだから。
しかし、酔って、人を殴りケガをさせるのは、よくない。ましてや、それを隠すウソをつくのは、とんでもない。許されないことだ。ヒールの朝青龍贔屓の私が、そう思う。社会をなめている。敢えて、”日本”という言葉は、前に付けないが。
たとえ、示談が成立したとしても、今回ばかりは、ただじゃすまない。相撲協会理事長からの厳重注意では、すまないだろう。
もし、相撲協会が、理事長の厳重注意だけですました場合には、それこそ、もう一人のオレ流の男、貴乃花の出番が必要だ。
私は、現役時代の貴乃花のファンではなかったし、今でも、彼の考え、よく解からぬこともある。私の苦手な、クソ真面目な男である。しかし、あることから、貴乃花は、凄い男だな、と思うようになった。まぎれもない凄い男、ケタはずれのオレ流を貫き通す男だ。朝青龍とは、逆といえば逆のオレ流だが。オレ流の二人、いつまでも、芯が通っている。
来週初めの理事選、同志7人では、貴乃花、敗れるであろう。各一門、その締め付けは、一段と厳しくなったようだし。
貴乃花については、理事選後、また書くことにする。