今日の人生。

さまざまな人生があるな。
夜、テレビのスポーツ・コーナーを見ていたら、イエメンの首都・サヌアからのレポートがあった。ちっとも知らなかったが、サヌアで、来年カタールで行われるサッカーのアジアカップの予選、日本対イエメン戦が、行われるんだそうだ。
今、イエメンは、アルカイダ系組織のテロで西側諸国がピリピリしている国、日本大使館も閉鎖されている。だから、日本のメディアも自社の記者を送りこまず、フリーのジャーナリストから情報を得ている状況。このレポートをしている人もフリーの女性ジャーナリストであった。
「日本のサポーターは、いますか」、との問いに、「3人来てます」、と答えていた。動画でなく、静止画で、たしかに、周りに誰もいない中、青い日本のユニフォームを着たサポーターが、何人かいた。思わず笑った。だが、彼らは、日本の対外戦、何処であろうと応援に行っているのであろう。サッカーのサポーター命の人生なんだ。
今日、友人から来たメールの中に、<今や競輪場は、競輪だけが「生きがい」というジジイたちの「たまり場」です>、という1行があった。これらのジイさんたち、競輪人生なんだろう。外からは、何とも言えない人生だ。
朝日の夕刊に「窓」というコラムがある。今日は、”「3万人の命に」の重さ”、として、昨年末、1面で連載していた「3万人の命に」、という記事に対し、「記事を読んで自殺を思いとどまった」、という反応がいくつもあった、と記している。
この記者は、別に、年間3万人以上いる自殺者の一部を救ったぞ、と自慢しているのではない。むしろ、情報の送り出し側にいる私たちの失態、と自戒している。記者人生もさることながら、思いとどまり、二度生きる人生もある。
だが、こういう人生っていいな、と思える人生もある。
週に一度くらい、やはり朝日の夕刊に、向井万起男が「大リーグが好き!」、という軽妙洒脱なコラムを書いている。向井は、慶應の准教授で高名な病理学者であるが、それよりも、あの日本初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんのダンナ、として知られる人。さらに、私は、「日本のユニーク髪型ベスト30」、くらいには入る人だと思っているが、それはともかく・・・
今日の夕刊には、<年が明けた今頃になってクリスマスのことなんか持ち出してゴメンナサイね>、と記し、『ホワイト・クリスマス』、というタイトルで書いている。もちろん、大リーグがらみのエッセー。ノー天気といえばノー天気なんだが、この欄を読むと、なにか、心が穏やかになる。向井さんの人生、イイジャン、という人生だ。
このような人生に較べれば、今日の朝夕刊1面で大きく報じられている、藤井裕久の財務相辞任、後任には菅直人、なんてものは、何という人生になるのかな、と思う。
体調不良、いや、小沢一郎との確執、とか言われるが、4年前、引退をしようと思った時に、止めとけばよかった。それを引き留めた鳩山由紀夫の罪は大きい。藤井の人生、お疲れさま人生、とも言えるが、藤井本人にとっては、後悔人生、ともなったのだから。
今日一日だけでも、さまざまな人生があったな。