国民の声と票。

晴れ。
政府は今日、来年度の税制改正大綱を決定した。
マニフェストに掲げていた、ガソリン税などの暫定税率を撤廃すると言っていたが、実質残すとか、こども手当がらみの扶養控除をどうするとか、ついでに、たばこ税を上げるとか、というもの。
いつの頃からか、マニフェストという言葉が定着し、マニフェストとの整合性、なんて言われ、鳩山も、マニフェストに沿えなかったことをお詫びする、と言っているが、昔の言葉で言えば、はっきり言って公約違反だ。
税収がどんどん少なくなる中、2.5兆にもなる油の暫定税率なんて、廃止できない。鳩山は最後まで、2割ぐらいは引き下げたい、と思っていたようだが、小沢に押しきられたという。かろうじて、小沢が求めていた、こども手当の所得制限を設けろ、というのは、飲まなかった。私は、所得制限を設けるべきだと思うが。
何日か前、小沢が、北京とソウルから帰った後、副幹事長その他14〜5人を引き連れ、首相官邸に行った。暫定税率撤廃なんてやめろ、こども手当には所得制限をつけろ、等々の民主党の要望を伝えに。「国民の声」、だと言って。
私は、小沢の求めること、妥当だと思う。公約違反ではあるが。約束したことを守れなかったことは、次の選挙で信を問えばいい。とんでもない、という人が多ければ、野に下ればいい。今大事なことは、国をどうすればいいか、ということなんだから。
それはそれとして、小沢のいう「国民の声」、どこから来ているのか、ということを考えると、政権交代後、陳情が一元化されているんだ。自民時代は、それぞれの族議員の所に、さまざまな陳情が為されていたが、今は、小沢の所にのみ陳情が行くシステムになっているという。
一カ月ほど前、”事業仕分け”が話題になったが、小沢は、”陳情仕分け”をしていたんだ。だから、多くある陳情は、「国民の声」なんだ。ここまでは、小沢の考えは、いい。「今、国民は、何を望んでいるか」、という。
さらに今日、2カ月前に民主党の最高顧問を外された渡部恒三が、こう言っている。「小沢は、総理になろうと思えば、いつでもなれる。だが、ならない。20年前にもなろうと思えばなれた}、と。たしかに、そう。1991年、海部俊樹の後、金丸信の「総理になれ」、との要請を、小沢は断った。
その後、宮沢喜一、渡辺美智雄、三塚博、という総裁候補を、自らの事務所に呼びつけ、面接したんだ、小沢は。小沢は、まだ40代であった。その頃から、剛腕が鳴り響いていた。結局、次の総理には、宮沢がなったが。
それはともかく、渡部恒三は、こうも言っている。「小沢君は、選挙のために予算をつけている」、と。
翻って考えると、たしかに、そうだ。事業仕分けで散々削り、前原も再三言明した高速道路や地方の新幹線など、小沢の下で予算化されているものがある。また、農家への”戸別所得補償”など、たしか5〜6000億だったと思うが、満額予算要求が通っている。小沢の力であろう。
だが、何故か。小沢の読みでは、これが、来年の選挙の票につながる、と読んでいる。私は、次の選挙、民主は厳しい、と読んでいるが、選挙のプロの小沢の読みの方が、正しいのか、来年の参院選、待ち遠しいな。