初場所初日。

大相撲の世界、今年は世代交代が一気に進んでいくのではという気がする。
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今日の国技館前であろう。
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今日、初場所初日。
初場所にしては地味な映像から入ったな、NHK。
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今場所の横綱以下三役。
豪栄道は9度目のカド番。高安は関脇へ落ちた。
先場所、一場所で大関に戻った貴景勝、新関脇・朝乃山の二人が注目。なかでも今場所一番の話題は新関脇・朝乃山の大関取り。
朝乃山、関脇一場所目だが、次の大関は朝乃山と言われる力をつけている。今場所の星数によっては、一気に大関になんて声もある。最近の大関が不甲斐ないことに大きな要因があるが、他の大関候補が皆足踏みしていることにもある。正代、阿武咲、豊山といったところが皆。何より、御嶽海である。
17場所にわたり三役の地位を保っていた御嶽海の名が、ここにはない。御嶽海、3年ぶりに平幕へ落ちた。
ここ数年、次の大関候補の筆頭は御嶽海であった。それが、貴景勝に先を越され、朝乃山にも追いこされた状況である。御嶽海ファンである私ははがゆくてしかたない。
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今日の幕内土俵入り。真ん中が朝乃山、後ろは貴景勝、手前は阿炎。
小結・阿炎も4場所続けて三役の座を保っている。有望株であるが、今場所はどうも身体を痛めている模様。
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幕内土俵入りで客がどっと沸くのは、小兵の炎鵬である。大きな栃ノ心と正代に挟まれて。
今日の炎鵬、大きな宝富士を下手投げで派手に裏返していた。
しかし、私は炎鵬の相撲に危うさを感じている。今日も宝富士の脇の下に首を突っこんでいた場面があったが、相手の懐に潜りこむという戦法、いつか大怪我をするのではと心配している。下手をしたら首の骨を折るんじゃないか、と。
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何処の場所であれ、初日の正面解説は、北の富士勝昭の定位置である。風格がついてきた。
アナウンサーの三瓶、今年の展望を訊く。新横綱が誕生するか、新大関は、と。
北の富士、相撲通ならば、専門家でなくても素人でも語るこの二人をあげる。
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貴景勝と、
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朝乃山のことを。
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場所前の朝乃山、こう語っている。
二ケタ勝たないと意味がない、とも。朝乃山、気合を入れている。
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今月5日、朝乃山は田子ノ浦部屋へ出稽古に行ったそうだ。
そこに待っていたのは、オッ、この元横綱・稀勢の里、髷を切った荒磯親方である。
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朝乃山、荒磯親方と17番取ったそうだ。
右が朝乃山、左は荒磯親方。
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何と、この17番の申し合い、朝乃山の1勝16敗であったらしい。
今日の裏正面解説の舞の海もこの17番の申し合いを見ていたそうだが、荒磯親方、横綱・稀勢の里の頃よりも強くなっていた、と語る。正面の北の富士は、朝乃山は遠慮していたんじゃないか、と語りつつも、それにしても1勝16敗とは、と。
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場所前の貴景勝、こう語る。
さらに、誰にも負けない完璧な突き押しを極める、と。覚悟が感じられる。
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今月6日、横審の稽古総見の日。貴景勝と朝乃山との申し合い。
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貴景勝、朝乃山を押しきる。
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8日、二所ノ関一門の連合稽古での貴景勝と高安との申し合い。
貴景勝の調子もよさそうだ。
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貴景勝、朝乃山、新しい波が押し寄せている。しかし、その前に立ちはだかる男がいる。横綱・白鵬である。
先場所、43回目の優勝を果たした。去年までは東京オリンピックまでは、ということを語っていた。しかし、今、優勝50回なんてことを語る。
時折り思う。どうして白鵬は前人未踏で、今後も破られることはないであろう別格の優勝回数、記録を残せたのか、と。辿りつくのは、同時代に白鵬と対峙できる力量を持った強い力士がいなかった、という思いである。
そういう時代だったんだ。
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それでも大相撲は続いていく。
初場所初日、今日の一番はこの取組みである。
朝乃山と御嶽海の一番である。
対戦成績は、御嶽海の3勝1敗。大関を狙おうって力士が、今まで4戦しかしていない。それだけ、朝乃山の昇進が速かったということである。御嶽海は、3年近く三役の地位にいたのだから。
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立ち合い、御嶽海の方が押しこんだ。
が、押しきれないと思ったか、御嶽海、引いた。たちどころに体勢が崩れた。
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朝乃山、御嶽海を寄り切りで破った。
御嶽海は敗れた。
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解説の北の富士、朝乃山の左上手の引きつけが素晴らしい、と語る。この引きつけである。
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初場所初日、幕内上位の星取。
関脇へ落ちた高安、大関カド番の豪栄道、今場所は皆勤をと語っていた横綱・鶴竜が敗れた。
貴景勝は妙義龍を一蹴、白鵬は先場所唯一敗れた大栄翔を圧倒した。
今場所一場所ではさほど動かないであろうが、世代交代の風、確実に吹いている。