御嶽海の涙。

稀勢の里は初日から休場、白鵬も4日目から、3連覇がかかった鶴竜も6日目から休場で横綱不在の場所となり、あまつさえ5日目まで5連勝で今場所は栃ノ心の場所になるな、と思われた新大関・栃ノ心も6日目玉鷲に敗れた時に足の親指を負傷、7日目から休場となった。
大相撲名古屋場所、上位陣総休場の場所となった。

そのような状況の中、中日を過ぎ10日目までの星取りはこのようなものであった。
この日のNHK正面解説者の北の富士、「これはすんなりと御嶽海といくな」と言っていた。
そうである。何しろ横綱が誰もいないというのに、それに続く大関の二人がだらしないんだ。豪栄道と高安の二人、共にカド番。カド番脱出に汲々としている状態なんだから情けない。

御嶽海の優勝確率、限りなく高くなった今日のNHK、御嶽海が属する出羽海部屋の優勝力士を示す。
名門出羽海部屋の最後の優勝力士は三重の海。それ以来38年ぶりの出羽海の優勝はあるのかどうか、とNHKは煽る。

今日、花道の奥で出を待つ御嶽海。
蹲踞の姿勢をとっている。

土俵下、控えでの御嶽海。
このところの御嶽海、控えではいつも瞑目している。

御嶽海、今日まで1敗。
追うのは豊山と朝乃山のふたりであるが、3敗の彼らとは2差がある。
なお、今日の相手・栃煌山は実力者、今場所は好調である。

が、寄り切りで破る。
御嶽海、初優勝である。
以前から醜男・御嶽海のファンであることを公言してきた私、とても嬉しい。

NHKの画面、このようなニュース速報が流れる。

インタビュー室での御嶽海、「嬉しいです」と言った後・・・

手で顔を覆う。
言葉が出ない。
涙を流す。

泣く。

泣く。

そして、こう語る・・・

「すごく緊張していたけど、・・・・・、なかなか経験できないことじゃないんで、できて良かったです」、と。
贔屓の相撲取りは何人もいるが、今、頂点を狙おうという力士は」御嶽海ひとり。気合を入れてくれ。
御嶽海、東洋大の学生の時、学生横綱とアマチュア横綱を取っている。平成27年(2015年)3月場所で幕下付出しとして初土俵。わずか3年半で幕内優勝を決めた。
来場所は、大関取りの場所となろう。
それはそうである。が、しかし、日本相撲協会理事長・八角「3横綱や栃ノ心が出てくる9月場所が勝負である」、と語る。
そうであろう。そうである。御嶽海、自分より上の横綱、大関に対し、対戦成績、すべて負け越している。これを何とかしなければ。