ふたりの女王 メアリーとエリザベス。
UK・連合王国と言われる国・イギリス、ウェールズはイングランドが併合したもの、後に南部が独立するアイルランドもそう、が、残るひとつスコットランドとイングランドとの間柄はそうではない。少しややこしい。スコットランドでは、今でもUK・連合王国から抜けようとする運動はなくなっていない。
16世紀、現在のイギリス王室のご先祖さんの物語である。
フランス王に嫁していたメアリー・スチュアート、王の死によりスコットランド女王として戻ってくる。まだ齢19の時。
イングランドの女王は、メアリーの従姉妹のエリザベス。メアリーより9つ年上である。
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』、監督:ジョージー・ルーク。
メアリーには、シアーシャ・ローナン、エリザベスには、マーゴット・ロビーが扮する。芸達者ふたりによる歴史絵巻。
若いスコットランド女王・メアリー(右)、エリザベス(左)にイングランド女王の地位をも要求する。エリザベスも対抗する。メアリーの結婚相手を画策する。メアリー、イングランドの並の貴族などでは靡かない。
イングランド宮廷を追われた貴族が、自分の息子・ヘンリーをメアリーに近づける。この左側のブロンドの若い男。メアリーの手を取っているこの男。
メアリーも気にいり、寝所に招き入れる。が、この男・ヘンリー、はっきり言って遊び人、女の扱いお手のもの。メアリーは・・・となる。
実はこの若い男・ヘンリー、女ばかりか男色家でもある。今で言うバイセクシャル。酒癖も悪い。
まあ、そうなんだが、メアリーはヘンリーが嫌々義理で行ったようなセックスで妊娠する。メアリーにとっては妊娠し、子を産むことこそ重大事であったんだ。
王朝、王室の物語なんて、表面上はどうあれその内面はドロドロとしているのが通常である。イギリス王室を含め、世界中の王室で。私の知る限り唯一の例外は、「ご誠実で、・・・で」のここ2、3代の日本の皇室ぐらいじゃないか。
16世紀のイギリスの場合は、宗教の問題もある。カトリックとイギリス国教会の問題も。
最後に、スコットランド女王・メアリーは、イングランド女王・エリザベスに救いを求める。
生涯独身、結婚をしなかったエリザベス(右、中)は、メアリーを保護する。つまり、幽閉する。20年間の幽閉の後、1587年、メアリー・スチュアートは断頭台の露と消える。
なお、メアリーとヘンリーの間に生まれた子がジェームズ1世となり、スコットランドとイングランドの君主となった。スコットランドとイングランドの同君連合である。
その後裔が現在のイギリス王室、エリザベス女王であり、チャールズ皇太子であり、王子であり王女である。
また、日本では、未だに女性天皇はどうこうとか女系天皇はどうこうとか、と言っているがいい加減にすればいい。
ジェームズ1世は、女系継承で国王となっている。
愛子さまの天皇即位も認めるべきであろう。