国と東京、そして東京と他の道府県。

一昨日の安倍晋三の「緊急事態宣言」は遅きに失したとは言え、少し前、全所帯に布マスク2枚を送付する、と表明したヘンな男とは同じ男とは思えないものであった。どうこうと文句をつけている連中もいるが、なかなかのものであった。
人との接触を8割少なくしてくれ、3密を避けてくれ、というのが基本。分りやすいよ。細かいことをどうこうあげつらうな。
と、その後、自粛要請をかける業種について、国と東京の認識のずれがある、ということが出てきた。東京は、デパートやホームセンター、理髪店などにも自粛要請の網をと言っている。が、国は、それはやり過ぎだ、暫らく様子を見てからでいいと言っている。国の対応、ややトーンダウンしている。東京が如何なる都市か、よく理解していないものと思える。
新型コロナウイルスは、人が多い所で感染する。人と人が会うことが多い所で。日本でその最たる町は東京である。はっきり言って、東京一極集中である。東京のみがその他の都市と異なる。
今回のウイルスの感染者も東京が桁違いに多い。病院のベッドもアップアップ。あちこちに自粛要請の網を掛けるべきであろう。特に理髪店などはフェース トー フェースの場、これを外すべきと言っている国は何を考えているのか。安倍晋三の発言から後退しているじゃないか。
しかし、明日発表されるものでは、国が押しきることになろう。国と東京、国の力が強いから。
さらに、東京と他の道府県との間にも考えのズレがある。
今、多くの業種が悲鳴をあげている。特に、観光業が。ホテルや飲食業、接客業などが。それらの業種に対し自粛要請を出している。安倍晋三は一昨日、これらの休業補償はしない、と語っている。これは、ひとつの見識だと思う。が、なかなか受け入れられない。難しい。
東京は、自粛要請をした業種に対し、国が補償しないなら、東京都として何らかの補償をしようと考えているらしい。これが他の道府県とのズレを生みだしている。
日本には、47の行政区画がある。1都1道2府そして43県、都合47の行政区画である。
その中、国から地方交付税交付金を受けていないのは、東京都だけである。東京だけがゆとりがあるんだ。
あとの46の道府県は皆、国からの交付金を受けて成りたてている。東京だけが突出している。
東京に次ぐ大阪でも、その予算規模は東京の3分の1以下である。我々の所では、東京と同じようなことはできない、と。
東京とその他の都市、町との格差はある。厳然とした。
身近な例を挙げる。
「東京都シルバーパス」というものがある。東京都の70歳以上の住民は1年間、東京のバスや都営交通の地下鉄などが乗り放題というパス。地方税免税所帯は1000円だが、そうじゃない人は年間2万円ちょっと、月に直せばわずか2000円弱。これで1年間乗ることができる。財源豊富な東京であるからこそできること。
東京都民でなく千葉県民である私は、このような恩恵もなくSuica・スイカに1万円ずつ入れている。そう日を跨がずになくなるが。東京都民でないので仕方ない。
東京とその他の道府県、必ずしも一緒でなくてもいいんじゃないか。全国一律でなくとも。現実にさまざまな差があるのだから。バス代だけでもこのような差があるのだから。
新型コロナウイルスへの対応、へんな方へずれたかな。


アメリカ大統領選、民主党の動き、バーニー・サンダースが撤退した。
ジョー・バイデンがトランプにとなっていくが、新型コロナで党員集会も開けずきつい模様。全世界の人たちにとってトランプ政権が続くことは避けたいところであるが、さてどうなるか。


重苦しい日常の中、思わず笑ったことがある。
月に一度、朝日新聞に記されている「寂聴 残された日々」という瀬戸内寂聴のコラム。
今日は、「故郷からの吉報 一筋の光」というもの。寂聴の故郷・徳島市長に36歳の女性が選ばれたことを喜んでいる。その記述が面白い。
<はっきり言うが徳島は」断然男性より女性が優秀である。・・・。・・・。その名を全国に輝かせた阿波女に、舞の名人だった武原はんがいる。そして私がいて、紫門ふみさんがいる。内藤佐和子さんは・・・>、、と新しい徳島市長に期待を寄せる。
それはいい。が、武原はんの後に、<そして私がいて>とさらりと記している。まったく嫌らしくない。思わず笑ってしまった。満97歳の寂聴であるからこそ許されることであろう。
思わず笑った。