足利CON展(11) 栗田美術館(続き)。

CON展の展示は昨日記したところだけであるが、栗田美術館には多くの建物があり数多くの焼き物が展示されている。
栗田美術館、約3万坪の地に30ばかりの建物が点在している。その幾つかを周る。
f:id:ryuuzanshi:20190607151325j:plain
この現在は開けていない栗田山荘を横に見て。
f:id:ryuuzanshi:20190607151402j:plain
少し歩いて本館へ。
20年以上前、いやもっと前かもしれないが栃木と群馬、北関東の幾つかの美術館を2、3日、見て回ったことがある。その時に足利の栗田美術館も訪れた。何だかやけにいっぱいあるな、しかし、数があればいいってものではないな、という印象を持った。
焼き物に特化した美術館として、箱根美術館や大阪の東洋陶磁美術館のような優美さ、洗練された趣きがないんだ。
その大きな理由は、栗田美術館のコレクションが伊万里と鍋島の磁器のみ、ということにある。色絵の磁器、いまひとつ、ということが私の中にあるからなのだが。磁器よりは陶器の方が好きなんだ。
f:id:ryuuzanshi:20190607151456j:plain
石を敷きつめた本館へのアプローチに、このような文言が彫りこんである。
栗田美術館創立者・栗田英男の強靭な意志が。
本館内には、江戸初期から明治にかけての伊万里(栗田美術館では、伊萬里という表記を使っている)と鍋島が数多く展示されている。が、撮影は許されていない。
f:id:ryuuzanshi:20190607153045j:plain
本館の側の資料館に、創立者・栗田英男のこのような言葉が記されていた。
肥料で財を成した人だそうだが、国会議員にもなり、フィクサーのようなこともし、伊万里と鍋島に入れ上げ、とともかく熱い人なんだ。
f:id:ryuuzanshi:20190607152825j:plain
歴史館が見えてくる。
f:id:ryuuzanshi:20190607153338j:plain
歴史館、背が高い。
f:id:ryuuzanshi:20190607153604j:plain
ここだけ撮影が許されているところがある。
f:id:ryuuzanshi:20190607153609j:plain
このような説明がある。
f:id:ryuuzanshi:20190607153629j:plain
部屋に入る。
大壺が並ぶ。
f:id:ryuuzanshi:20190607153702j:plain
人の背丈より大きな色絵の大壺。
f:id:ryuuzanshi:20190607153719j:plain
このような説明が。
f:id:ryuuzanshi:20190607153848j:plain
伊萬里や鍋島の色絵大壺、派手で艶やか。
そうではあるが、いや、そうであるからこそ、上昇志向、権力志向が強い人たちが愛でる、ということよく分かる。
f:id:ryuuzanshi:20190607160545j:plain
緩やかな山道を通り陶磁会館へ出る。
f:id:ryuuzanshi:20190613154546j:plain
館内の展示室では、このような特別陳列が催されていた。伊萬里焼の「香炉と火入」展。
なお、「火入」は喫煙道具。煙草の火種を入れる火入れ。煙管を使っていたころの道具。明治ぐらいまでは使われていたのではないか。
f:id:ryuuzanshi:20190607160458j:plain
陶磁会館の中にはシックな喫茶室がある。
今、栗田美術館の中で唯一開いている喫茶室。他の喫茶室は閉めている。
コーヒーをたのんだ。ドトールやマックとは異なる本格的なコーヒーが出てきた。時間もかかった。料金もそこそこの。しかし、客がいない。この日はどこへ行っても私以外ほとんど他の人を見かけなかったが、それにしてもである。
色絵磁器、イマイチとは思いながらも、美術館の行く末は気にかかる。栗田美術館のことも。
f:id:ryuuzanshi:20190607160550j:plain
阿蘭陀館の横を通り帰る。
ここはミュージアムショップであるが、客は誰もいなかった。
f:id:ryuuzanshi:20190607160758j:plain
大手門を出てJRの駅へ戻る。
雨は小やみとなっている。
f:id:ryuuzanshi:20190607161959j:plain
JRあしかがフラワーパーク駅。
道にも駅にも誰もいなかった。
JR足利駅へ戻る。
f:id:ryuuzanshi:20190607165506j:plain
JR足利駅へ戻った後、タクシーで東武足利市駅へ。
渡良瀬川を渡るころには、また雨が降りだした。
f:id:ryuuzanshi:20190613154638j:plain
足利CON展、2日間で青いマーカーで囲ったところだけを周った。
暑かったり、雨が降ったりしていたのだから、これで十分である。
f:id:ryuuzanshi:20190613163146j:plain
ひと月ほど前、河瀬和世さんからこのような葉書を頂戴した。
貼られた和紙に塗られた朱の変容、えも言えず。