足利CON展(4) 畳の上の海。

松村記念館2階へ上がる。
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2階の和室に入ると、写真を撮っている人がいた。
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部屋の入口にはこの紙片。
作品名は≪海 座敷≫。作家名は金子清美。
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すぐ手前に渦巻きのようなものがある。
鳴門の渦巻きにしてはやや小ぶりであるが、8つの渦巻き。
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≪潮音≫と題されている。
やはり渦巻きなんだ。海潮音なんだ。白い海の上に。
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右手の床には立体が3つ。
「たまてばこ」であったか。やはり、海由来。
が、私はその先、隣の部屋に伸びる白い長尺のものに気を取られていた。写真を撮っていた人が私に気づいて、「あ、どうぞ」と声をかけてくれた。
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畳の上に幅の広い白いものが伸びている。窓のところまで。
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タイトルは、≪波の華≫。
「波の花」なら泡であるが、「波の華」。波が形作る造形である。
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畳の上に白い海が表わされている。
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さまざまな波が不定形な海を形作っている。
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波は白っぽかったり、青っぽかたり。
私は紙に木の葉か何かを漉き込んであるのか、と思っていた。が、そうではなかった。先ほど写真を撮っていた人が教えてくれた。
畳の上にコーヒーを淹れる時に使うペーパーフィルターを置き、その上を紙で覆っているそうだ。
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それが、躍動感がありながら静寂感もある、静謐な作品に昇華しているようにも見える。
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窓辺の辺りを見る。
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こちらも畳の上の海の世界。
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白く静謐な海である。
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改めて「海 座敷」を見る。
「海座敷」なのか、半角あいた「海 座敷」なのか。訊くのは忘れた。半角あくとあかないとでは、その世界ずいぶん違ってくるが。
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こちらの床の間には、この軸。
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白い紙に細い立体がついている。
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「際」とあるが、どの作品が「際」であるのか。よく解らない。
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外を見る。
この窓の外、赤松がある。
この赤松も松村記念館の重要なファクター。
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ところで、松村記念館の2階で初めて会ったこの人。作家・金子清美の仕事のパートナーである。
名刺をくれながら、そう自己紹介してくれた。
建築設計研究所の代取所長・畑龍徳さん。美術評論もしていると話していた。
足利のCON展での金子清美の展示に関し、長文の論評を記している。「連想世界をたゆたう澄明な作品群・・・金子清美作品≪海座敷≫」として。
URLは、http://www.ops.co.jp。「株式会社OPS建築設計研究所」で検索しても出てくる。
私の雑ブログでなく、より詳細な論考を、というお方はご覧になってください。さすがパートナー、という心に分け入る記述である。