樂土の森 現代美術展(8) 風乃家・哲学する絵。

山下洋輔のピアノ、第1部のおり、30分に及ぶ即興演奏の最後、山下洋輔、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、と同じ音を繰り返した。少し間をあけ5回、同じキーを叩いた。
その後、山下洋輔、種明かしをした。
「ここに5点の絵がかけられているから」、と。
「風乃家」の壁面には、5点というか5組の絵がかけられている。松浦延年の絵画である。それへのオマージュと言っていいであろう。
とても深い作品なんだ。

今一度「風乃家」。
見るたびにその景色、変化する。

矩形の作品。
左には、白い作品と赤い作品。右には、黄色い作品が2つに緑の作品。
緑の作品には映りこみが激しいが、この作品ばかりじゃなくみな光っている。光っているばかりじゃなく質感もある。初め私は、焼物かなと思った。

右に、緑の作品。左に、白と緑の作品。

その向こう、山内啓司の映像が当たっているところには、白い作品と小さな赤い作品。

ピアノの向こうの白と赤の作品。

白い作品と小さな正方形の赤い作品。
すべて松浦延年の作品。

松浦延年のプロフィール。
松浦さん、ロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチに言及している。シュプレマティズム云々とも。

小さな黄色の二つの矩形と緑の正方形。
イメージを厳格に描くと、こうなるのではなかろうか。

白い作品と赤い作品。
作家の松浦延年さんと話すことができた。
これらの作品、油絵だそうである。絵を長年寝かす、とも語っていた。
シュプレマティズム、絶対的なものを追求している。

哲学する絵である。


今日は驚いた。
私ばかりじゃなく、世界中ほとんどの人はそうであったであろう。
昨日、<行き先がない。二度と行かないトランプタワーへ籠ってろ>、と記したドナルド・トランプ、勝っちゃった。
ラスト・ベルト、錆びついた地帯の現状に不満を持つブルーカラー、また、高学歴高収入の連中でも隠れトランプとしてトランプへ票を投じたらしい。
ドナルド・トランプ、現地時間午前3時前に勝利宣言を行った。
”MAKE AMERICA GREAT AGAIN”、と。アメリカ・ファースト、と。
勝手にしろ、と言いたいところ、ロシアのプーチン、フランスの右翼・国民戦線のマリーヌ・ルペン、歓迎の言葉を発している。
安倍晋三も祝福の挨拶を送った。が、日本は厳しくなる。
日経平均は、900円以上値を下げた。
TPPもおじゃんになる。
そんなことより、内向き、世界のことなどにはいちいち関与しないよ、というトランプの登場に最も喜んでいるのは、中国であろう。
トランプ政権、習近平の中国にうまくあしらわれるであろう。
中国の覇権が拡大するのは目に見えている。日本、中華帝国の端に位置する小さな国となることも、あり得ぬことではない。
歴史を知らぬトランプの治世、恐ろしいことこの上なしである。