美を紡ぎ 令和。

5月1日、令和へ改元された。
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東博では改元に合わせ、「美を紡ぐ 日本美術の名品展」が催された。
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「日本美を守り伝える紡ぐプロジェクト」というものがある。
<皇室ゆかりの優品や国宝・重要文化財をはじめとする日本の美を、広く国内外へ、さらに未来へ紡ぐために、文化庁、宮内庁、読売新聞社が協力して進めていくプロジェクトです>、とパンフにある。
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宮内庁三の丸尚蔵館、文化庁、そして東博・東京国立博物館が所蔵する日本美術の選りすぐりの名品が展示される。
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宮内庁三の丸尚蔵館は、若冲の≪動植綵絵≫の所蔵で名高いが、どうしてどうしてそればかりではない。
この屏風も。
≪唐獅子図屏風≫ 六曲一双。
右隻:狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀、左隻:狩野常信筆 江戸時代・17世紀。宮内庁三の丸尚蔵館蔵。
なお、狩野常信は狩野永徳のひ孫である。
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唐獅子、やはり永徳。
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雪舟等楊筆 国宝≪秋冬山水図≫。
室町時代・15世紀末~16世紀初。東京国立博物館蔵。
雪舟の秋冬山水図、やはり東博所蔵の破墨山水図と共に、国宝中の国宝。
この我が国水墨画の極北ともいうべき作品が、東博の常設展でも時折り何気なく展示されている。そのような場に行き会った時には、嬉しくなるな。
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長沢芦雪筆 ≪花鳥遊魚図巻≫(部分)。
江戸時代・18世紀。文化庁蔵。
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藤原定家筆 「更級日記」。
鎌倉時代・13世紀。宮内庁三の丸尚蔵館蔵。
「更級日記」、作者は平安時代半ばの菅原孝標の娘。この女性、昨日だったか一昨日だったかNHKの番組で、「源氏物語」を読みふけり、物語で身を立てることを夢見る少女であった、というようなことが流れていた。が、ボーとしていたので確かなことは分からない。
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仁清作 重文≪色絵若松図茶壺≫。
江戸時代・17世紀。文化庁蔵。
色絵ってあまり好きではないが、さすが仁清、つややかな黒を背景に、色鮮やかな景色が展開されている。
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海野勝珉作 ≪太平楽置物≫。
明治32年(1899)。宮内庁三の丸尚蔵館蔵。
この秋、10月22日、新しい天皇の「即位の儀 正殿の儀」が執り行われる。その際、この作品のような舞楽「太平楽」が舞われることであろう。
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葛飾北斎筆 ≪西瓜図≫。
江戸時代・天保10年(1839)。宮内庁三の丸尚蔵館蔵。
北斎、このような絵も描いていたんだ。そして、三の丸尚蔵館はこのようなものも所蔵しているんだ。少し驚く。その皇室との距離に。
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黒田清輝筆 重文≪舞妓≫。
明治26年(1893)。東博蔵。
雪舟、永徳から光琳、北斎まで、と謳っている特別展であるが、明治以降へも紡いでいく。
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久隅守景筆 国宝≪納涼図屏風≫。
江戸時代・17世紀。東博蔵。
これも時折り常設展にも出ている。何とも言えないんだ、この作品。異色の国宝。江戸時代の庶民がもろ肌を脱ぎ涼しさを取っている。親子3人で。皇室とはずいぶんかけ離れた光景である。が、温かい。心がふーとする。
代替わりした新しい天皇家も親子3人。その置かれた立場は異なるが、その家族感、親子感はどこか通じるものがあるのでは。


音声ガイドは山根基世であった。
次々とふんわりとして、心穏やかに聴くことができた。
東京楽所の演奏による舞楽「太平楽 急」もよかった。


それにしても今回の改元、新しく皇后となられた雅子さまのご様子に驚いた。
とても溌剌とされている。適応障害でどうこうなんて時とは大違い。とてもお元気、とても嬉しい。
安倍晋三は、令和の国賓第一号としてドナルド・トランプを持ってきた。新しい天皇、皇后との面会や晩餐会その他のトランプ夫妻との接触を。新皇后の雅子さま、生き生きとした有りさまであった。
コートを肩に外股でさっさと歩く外務官僚の小和田雅子さん、皇太子と結婚することになり、その環境はガラッと変化した。病気になった。
お世継ぎって問題もあった。雅子さま、厳しい時代を生きてきた。
そして今、溌剌、生き生きとしておられる。トランプが来たことが大きいのじゃないか、と考える。英語で応答をされていた。得意中の得意である。トランプ夫人のメラニアさんとはチークキスまでされていた。おそらく何十年ぶりのことではなかろうか。
皇后・雅子さまのお元気な姿、とても嬉しい。


この春以降行った展覧会の模様など、暫らく続ける。