東博 今年の慶賀展示はこれっ。

本館内へ入る。

この垂れ幕が迎えてくれる。

大階段を上る。
正面に見える生け花は・・・

真生流家元・山根由美の作。
花は、松、梅、椿、木瓜、南天桐。

で、東博、今年の新年慶賀のお薦め展示はこれっ。
国宝室には、長谷川等伯筆≪松林図屏風≫。紙本墨画。
<白い和紙の上に墨の濃淡だけで、風と光の情景が生み出されています>、と東博の解説にある。

その右隻。
<等伯は松林という日本の伝統的なモティーフを、中国絵画から学んだ水墨表現によって描き出し、日本の風土の豊かな形象をみごとにあらわしているのです>、と東博は語る。

その左隻。
日本美術が到達した極北のひとつ。見る度に、その思い強くなる。

新春特別公開のこれ、残念ながらぼけちゃっている。
何度かシャッターを切ったのだが、そのすべてが。

一休宗純筆の、こういうものである。
書の末尾に「春」という字が読みとれる。きっと、おめでたいものに違いない。

清巌宗渭筆の一行書「松無古今色」。紙本墨書。江戸時代、17世紀のもの。
東博の説明書きにこうある。
<『禅林句集』等にある禅語「松無古今色、竹有上下節」からの引用で、松の葉は常に青々としていることから、時代を経ても不変であるものの喩との意>、と。
なるほど、これもめでたい。

佐藤一斎筆の二大字「霊龜」。紙本墨書。江戸時代、弘化2年(1845年)の筆。
佐藤一斎、佐久間象山、横井小楠、渡辺崋山、・・・、門弟6000人を数える江戸時代の儒者。箴言集『言志四録』の作者でもあること、この雑ブログでも触れたことがある。
落款から、一斎74歳の筆であることが解る。数えで74歳、満でいえば73歳であろう。
私はこの正月、数えでいえば75歳となった。一斎と彼我の間、あまりにもかけ離れており嘆くことなどまったくないが、それにしても驚きはある。
なお、<「霊龜」は「神妙な亀・神霊明鑑の亀」という意味で、明徳に喩えられる>、と東博の説明書きにある。
やはり、おめでたい。

その佐藤一斎、7歳の時の書。篆書で書かれた「福壽」。安永7年(1778年)の作。
数えで7歳、満でいえば6歳である。
一斎のこの書を見ている時、すぐ横に母子づれがいた。中年の母親、20代の娘に向かいこう語っていた。
「これが7歳でー。我々凡人と違うわ、やっぱり」、と。
それはそれとし、「福壽」の文字、これもやっぱり、おめでたい。


それにしても、年明け以来世界は荒れている。
今日、サウジの軍用機がイエメンのイラン大使館を空爆した、という。中東、キナ臭いどころか実戦に近づいているやに見える。
北朝鮮では今日、お祭り騒ぎをしているらしい。”水爆云々”、と。
”らしい”というより、その実情は、”演出”しているのであろう。哀しい演出である。しかし、その”哀しさ”を哀しいと思わないところが哀しい。
今日の報道では、いよいよとなったアメリカ大統領選、ヒラリー vs トランプとなった場合、現在その支持率は拮抗しているそうだ。
そんな。マジかよアメリカ国民、と思う。
今日の上海株式市場、取引わずか30分でブレーカーが落ちた、という。下落率7%を超えブレーカーが落ちたのは、年明け2度目。中国経済の先行き懸念、深い。
日経平均も大発会以来4日連続の下落。昨年末の大納会の株価より1200円も下げている。
2016年の年明け、荒っぽい。