博物館に初もうで(2) 日本人と羊。

羊の付く文字、美、善、祥、義、翔、・・・、好いイメージの文字が幾つもある。

東博に初もうで、今日は特別1室の「日本人と羊」。

羊って、犬や猫、馬や牛に次ぐごく普通の動物だから、昔から日本にいたものだと思っていた。だが、そうではないらしい。ごく一部の上流階級の人たちを除き、一般の人たちが知るのは、江戸時代以降らしい。

≪羊と遊ぶ唐美人と唐子≫ 北尾重政(1739〜1820)筆。
中判 錦絵。江戸時代・18世紀。
18世紀になっても、羊は大陸にフィットする動物だったんだな。

≪風流十二支・未≫ 礒田湖龍斎(1735〜?)筆。
細絵 錦絵。江戸時代・18世紀。

≪十二類絵詞≫(模本) 狩野養長模。
紙本着色。江戸時代・19世紀(原本:室町時代・15世紀)。
羊は左上の方に描かれている。
が・・・

これは、羊っていうより山羊みたいだな。角といい、ヒゲといい。

≪よきことを菊の十二支≫ 歌川国芳(1797〜1861)筆。
横大判 錦絵。江戸時代・19世紀。

これは羊だ、どう見ても。

「動物一枚摺 綿羊(揚州種)」 武田昌次記、中島仰山画。
色刷。明治9年(1876年)。

≪十二神将立像・未神≫

なるほど、こういう未神。

<羊の毛並みを意識したかのように、・・・・・>、という前髪、確かにそう。

本館1階の第1室には、この十二神将立像があった。

運慶周辺の仏師の手になる曹源寺の十二神将立像。
右下の配置図に当てはめると・・・

この像が未神。
十二神将、いずれも甲冑を身に纏っているので厳ついが、未は未、羊は羊。