バンコク散歩(13) 国立博物館。

東博・東京国立博物館が開設されたのは明治5年、西暦でいえば1872年である。その2年後の1874年にバンコクの国立博物館は、ラーマ5世の手によって開館している。昨年亡くなったプミポン前国王はラーマ9世、現国王はラーマ10世であるから5代前の国王の御世に、ということになる。
いずれにしろバンコクの国立博物館は、東博とほぼ同じ歴史を持っている。
MOCAとbaccへ新しいものを見に行った翌日、そのタイ最古の博物館へ行った。

ホテル前から乗ったタクシー、運転席の前、数珠や仏像に溢れている。
バックミラーには数珠がかかっている。小さなストーパにも数珠が。フロントガラスのところには小さなさまざまな仏像が。その数、半立体も含め10を超えている。
仏教国である。

国立博物館へ着く。
そこにはこの看板が。
「タイの過去」とある。タイの歴史である。

ここが入口。

入口を入る。
左手上に案内図のようなものが見える。

近寄ると、このような国立博物館のガイドマップ。
バンコクの国立博物館、広い。大小15、6棟の建物がある。
現在地は、左下の「1」のところにいる。

この歴史館の前に。

入る。

このような世界に痺れる。

このような空間、東博にはない。

ヒンドゥーの美術が主であるが、ニューデリーのインド国立博物館、また、コルコタ(カルカッタ)のインディアン・ミュージアムを思いだす。

また、パリのギメ東洋美術館も。

歴史館の展示物の中を進む。

クメールの影響が色濃い12世紀のlopburi(ロッブリー)美術。砂岩に彫られている。

前へ進む。

さらに前へ。
東博ではなく奈博(奈良国立博物館)の展示が頭に浮かぶ。

突き当たりにこの仏頭。16世紀、アユタヤ朝の仏頭である。
今、奈良、興福寺にある山田寺の仏頭を思いだす。

山田寺の仏頭は頭の右側が破損されているのに対し、バンコクの国立博物館の仏頭は頭の左側が欠けている、という違いはあるが。
いずれにしろ、とても素晴らしい仏頭である。魅せられる。

その横の仏さま。

振りかえる。

来た道を振りかえる。
左右に素晴らしい仏さまが。

この仏像も。
16世紀、ラーンナ朝の仏像。
バンコクの国立博物館の模様、続ける。


貴乃花、今日いきなり日本相撲協会に親方引退届を出した。
驚いた。
昨秋の日馬富士の貴の岩へのゴタゴタに関する内閣府への告発状に対する云々、ということがその根っ子にあるらしい。
貴乃花、弁護士同席で記者会見を開いた。夜に入り日本相撲協会は、貴乃花の引退届けは相撲協会にたいする退職届けではないとした。
不幸なことである。お互い、角突きあって。
思えば貴乃花、現存する唯一の一代年寄である。
大鵬、北の湖、千代の富士、そして貴乃花。一代年寄はこの4人しかいない。しかも、今生きているのは貴乃花ひとりである。その貴乃花が。
貴乃花、相撲の場で飛びぬけた才能を持つある種の天才であるが、現実世界では何だかんだということも多くあった。
自ら思うことを反復、復誦することなど、ないんだ。思いこんだら一直線。
不幸なことだが、致しかたないか。


「新潮45」が休刊した。
LGBTに対する問題意識、これも仕方なかろう。
リタイアして以来、週刊誌、月刊誌の類は「藝術新潮」、「キネマ旬報」などの数誌以外ほとんど読んでいない。問題の「新潮45」の10月号の目次を見た。何とも酷い目次が並んでいる。以前見知った新潮社の刊行物とはとても思えない。
こんな雑誌は一刻も早く消え去るのがいい。