原沢、王子谷の攻防、見応えがあった。だが、リネールに通用するか。

昭和の日、柔道の全日本選手権、久しぶりに見た。家にいたならば見ているはずなのに、ここ数年出かけていたのか。
毎年、昭和天皇の誕生日に日本武道館で行われる全日本柔道選手権、体重無差別、柔道本来の姿で行われる。
軽、中量級の選手が挑むことはあるが、100キロ超級の選手との対戦では力で押さえこまれてしまう。
柔よく剛を制すと言われるが、それは稀なことである。60、70キロの軽量級の選手が100キロ超級の選手とまみえて勝つことなど、容易なことではない。
小さな身体であった嘉納治五郎の空気投げなど、今は昔の物語である。
全日本柔道選手権、勝ち残ってくる選手は100キロを超える選手が主。

準決勝に残っている4選手。
王子谷剛志は、一昨年、昨年の覇者。3連覇を狙う。
小川雄勢は、全日本を7回も制覇している小川直也の息子。21歳、若い。
原沢久喜は、リオ五輪の銀メダリスト。リネールには手も足も出せなかったが。
加藤博剛は、昨年もベスト4の実力者。

私は、若い小川雄勢に注目している。
全日本を7回も制覇した小川直也の息子である。
21歳、親父と同じ明治大学の4年生。191センチ、135キロの身体も文句はない。
その顔つきも親父と似ているな。

が、準決勝の小川雄勢、王子谷に一瞬の隙をつかれる。
開始間もなく足を払われ技ありをとられ敗れる。小川雄勢、まだ若い。

決勝は、一昨年、昨年の覇者であり3連覇を狙う王子谷と、3年ぶりの頂点を窺う原沢の勝負となった。

王子谷と原沢、同年、同学年、高校のころからのライバルである。

試合時間4分では決着がつかず延長に入る。

王子谷のきれいな技が決まったが、これは場外待ての声で原沢が力を抜いた後。

原沢に2回目の指導がくる。
あと一度指導がくると、反則負けとなる。

原沢、大外刈りで攻める。

王子谷も大外刈りで攻める。
双方、大技の攻防である。

延長戦も4分を超えた。

両者、フラフラである。

主審が2人の副審を呼んだ。

王子谷に3回目の指導が下された。

大子谷、反則負けとなる。
全日本選手権3連覇はならなかった。

その後の王子谷。
精根尽き果てた、立ちあがれない、といった風情。

この顔貌。
王子谷剛志の心の中を思う。

9月の世界選手権、100キロ超級の派遣選手には、原沢久喜と小川雄勢が選ばれた。
21歳と若い小川雄勢ののびしろに賭けたのであろう。
その判断、正解である。
小川雄勢には、是非リネールと対戦してもらいたい。おそらく、簡単にはね返されるであろう。しかし、それがその先の糧となるに違いない。

NHKの中継、原沢久喜の涙で終わった。


今年のノーベル平和賞、ロンドンのブックメーカーでは、ムン・ジェインとキム・ジョンウンの二人が他をぶっちぎりで引き離しているそうだ。
オッズは1.7。
次いではドナルド・トランプだという。オッズは11倍。
5月末か6月初め、ドナルド・トランプとキム・ジョンウンの会談が上手く運び、朝鮮半島の非核化が完全になった時には、ムン・ジェインとキム・ジョンウン、それに、ドナルド・トランプの3者にノーベル平和賞が授与される、ということが現実となるかもしれない。
つい2、3か月前にはノーベル平和賞などとは真逆の立ち位置にいたキム・ジョンウンとドナルド・トランプがノーベル平和賞とは、と考える。
何と、と。
世界は動いているんだ。
確かに。