やはり、帝京、強かった。

ラグビー、第50回大学選手権、5連覇をかける帝京と5年ぶりの優勝を目指す早稲田のゲーム。国立競技場最後の試合である。

早稲田はえんじと黒の縞のジャージ、帝京は赤いジャージ。

今の帝京、向かうところ敵なし。強い。ひとり頭抜けている。
関東対抗戦グループでも全勝。大学選手権に入っても、他校を圧倒している。

関東対抗戦での1敗は、帝京に敗れたもの。
今日は何としても勝たねばならぬ。この顔つきを見てくれ。気合いが入っている。
勝ち、「いざゆけ 我らがラグビー早稲田」、「荒ぶる」を歌ってくれ。

試合開始直後、早稲田、ボールをつなぐ。

何と、開始25秒、早稲田荻野、ノーホイッスルトライをあげる。
ゴールも決まり、いきなり7対0。こりゃ、いけるぞ。

フォワードの平均体重は、早稲田7キロほど軽い。
しかし、今季の早稲田、フォワードが強い。平均7キロ重い帝京のフォワードに、十分対抗できる。

しかし、帝京、地力に勝っているし、個の力も強い。12分、23分とたて続けにトライをあげる。
これは、前半23分の帝京深村のトライ。ラグビーでは珍しい上からのトライであった。
186センチ、122キロの深村、アメフトのダイビング・タッチダウンのようなトライをあげた。ゴールも決まり、帝京12対早稲田7となる。

前半終了間際、早稲田は帝京ゴール前に攻め込み、攻め立てる。しかし、トライには至らず。帝京のペナルティーでPGとなる。このキックを決め、前半早稲田10対帝京12で折り返す。

前半、風上であった早稲田、リードして折り返したいところであったが。しかし、この点差ならば、やれるぞ。

ところが、後半に入ると、早稲田、開始直後からたて続けにトライをあげられる。
3トライ、2ゴール、1PG。
アッと言う間に、帝京34対早稲田10となる。
勝負は決まった。誰しもがそう思った。私も。

ところが、ここから早稲田の驚異的な反撃が始まった。
後半18分からの10分間の間に、たて続けにトライをあげる。

後半26分すぎには、早稲田22対帝京34と追い上げる。

さらにトライ。ゴールも決まり、ついに早稲田29対帝京34の5点差、1トライ差に迫る。

だがしかし、後半30分、帝京に押しこまれトライを奪われる。ゴールも決められ、帝京41対早稲田29。
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残り時間は少ない。万事休す、これで終りだな。と思ったら、そうではなかった。早稲田、最後の意地を見せた。
帝京ゴール前へ攻めこんだ。
早稲田、攻める。

早稲田、攻めに攻め、ついにトライをあげる。
41対34。1トライ1ゴール差まで追いつめる。

が、ここでノーサイド。
帝京、勝つ。史上初、前人未到の5連覇である。

早稲田、帝京の選手、入り混じる。

やはり、帝京、強かった。

ここ10年の大学選手権の優勝校。
過去最多優勝を誇る早稲田の優勝が6年前途絶えた。それ以降、帝京が5連覇。
今、帝京の力、突出している。踏んばっている早稲田でも、敵わない。
このところ低迷している明治、それに慶應を加え、早慶明の伝統3校で、帝京を倒す策、行動を捻り出すことが必要であろう。


大相撲初場所初日、綱取りの稀勢の里は豊ノ島に敗れた。
ずいぶん硬くなっていた。
この後、全勝し、14勝で優勝した場合はともかく、そうでない場合の稀勢の横綱昇進が為された場合は、相撲協会の存立そのものが問われるであろう。