忖度とガバナンス。

昨日、一昨日、終日外へ出ていたが、世間さまは動いていた。
昨日、日馬富士が引退した。いい判断、妥当な決断である。
暴力問題がこれほど拡大した以上、いずれにしろ引退勧告は出る。それを待たずの引退表明、よかった。無念ではあろうが。
ここ何日か、多くの人がさまざまなことを言っている。昨日も今日も。
相撲の専門家やスポーツ畑の人ばかりじゃなく、学者やお笑い芸人や経済アナリストや政治家やその他、あなた相撲はよく見ているんですかって人までさまざまな人がどうこうどうこうと言っている。
ただ、相撲の専門家を含め、今回の日馬富士の貴ノ岩への暴行事件について、誰も言っていないことがある。
日馬富士の白鵬に対する忖度の問題である。
ひとつではあるが、日馬富士は白鵬より年長であり、大相撲への入門も少し早い。しかし、いわば後輩の白鵬が日馬富士を追いこしたばかりでなく、大横綱となった。押しも押されもしない大横綱に。
日馬富士、自らも横綱となったが、大横綱・白鵬との間合いは常に考えていたであろう。
ところで、モンゴル力士会は、モンゴル人力士の生活互助会であるそうだ。今日、日本相撲協会の危機管理委員会の委員長はそう語っている。モンゴル人力士同士、お互いに助け合う、という性格を持っている模様である。
同じ横綱とはいえ、日馬富士、白鵬に対し気を配っていたこと、よく解かる。
日馬富士は貴ノ岩を可愛がっていたそうだ。その貴ノ岩に白鵬が説教をしていた。しかし、貴ノ岩はスマホをいじっていた。
そこで、日馬富士・・・
白鵬の心中を忖度したに違いない。で、弟分として可愛がっていた貴ノ岩を殴ったのであろう。激して堅いカラオクのリモコンでも。大横綱、ものわかりの悪いこいつを懲らしめてます、とその心中で叫びながら。
白鵬への忖度であったに違いない。
千秋楽での白鵬の優勝インタビュー、白鵬の先制攻撃は結局実らなかった。
ガチンコ闘争を続ける貴乃花親方について、協会は毅然とした態度はとれなかったな、今日の理事会で。冬巡業への巡業部長である貴乃花の帯同は認めず、春日野に変更したが。
しかし、日本相撲協会のガバナンス、理事長・八角のガバナンスはまったくなっていない。