湖北・長浜逍遥(7) 木之本地蔵院。

長浜2日目は木之本へ行った。
観音の里・長浜、その中心地は木之本と高月。この日は木之本へ。
木之本は、長浜からJRの鈍行で数駅、15分たらずで着く。長浜を10時15分発の電車に乗れば、木之本で20分ばかりの待ち時間で、鄙びた観音さまがある地域へ行くバスに乗ることができる。しかし、この日、そのバスに乗ることはできなかった。
JRのダイヤが乱れていた。前々日の台風の影響で湖西線に不通個所が出て、それが北陸本線にも影響を及ぼしていた。
鈍行で15分たらずといっても、その電車だけの問題ではないんだ。北陸本線の場合は、まず金沢方面へ行く特急が走り、次いで急行のようなものが動き、最後に鈍行が動く、ということになる。つまり、鈍行のプライオリティーは最も低い。その日も10分ほどの遅れとのアナウンスがあり、それが20分になり、30分になった。
で、当然のことながら、時間通りなら悠々間に合っていたバスは出た後であった。次のバスは2時間以上先。仕方がないタクシーで行こう。幸い少し先にタクシー乗り場がある。が、肝心のタクシーがいない。暫らく待ったが一向にタクシーは来ない。このような日、タクシーそのものが動いていないのかもしれない。私以外誰も待っていないんだもの。
しかし、2時間以上待つのはつらいな、と思っていたら、ふいと、じゃあ地蔵院へ行ってみようか、と思いついた。
木之本地蔵院のことを知らないではなかった。しかし、なにか普通の寺のようだし、観音の里のイメージには少しそぐわないな、と考えていた。で、私の中では木之本地蔵院のプライオリティーは低かった。鄙びた観音さまを見て、時間が余れば、という程度のもの。
しかし、バスもタクシーもない。次のバスが来るまでの時間、木之本地蔵院を訪ねることにした。結果として、これがよかった。とても面白かった。

駅から7、8分、北国街道に面した木之本宿に木之本地蔵院はある。
時宗の寺である。

毎月23、24日は、月縁日祈祷法会の日であるそうだ。
この日は10月24日、月縁日祈祷法会の日。いい日に行きあった。

本堂へ。
小さなお嬢ちゃんもおじいさんも、おそらくご近所の善男善女が訪れている。

本堂の中へ。

上の方を見る。

こちらも。

こちらも。

お線香を供えた。
本堂内では蝋燭も。

木之本地蔵院、眼の仏さまだそうだ。

本堂内陣には秘仏の地蔵尊が祀られている、という。その地蔵尊を写した銅像が本堂の右手にある。
明治27年に開眼された大きな地蔵尊。高さは6メートルある。

本堂の横手に御戒壇巡りの入口がある。

このような説明書きがある。

戒壇巡り、30年以上前、善光寺でして以来。

これをひとつボーンと叩いて暗闇へ入った。
木之本地蔵院の戒壇巡り、31間(56.7メートル)あるそうだ。その中間点、6つ目の角を曲がった先、お地蔵さまのお足元の下に錠前がある。それは御本尊である地蔵尊の御手である、ということらしい。
暗闇の中を進んだ私の手も、その錠前、つまり木之本地蔵院の本尊である地蔵尊の御手に触れた。
きっと、いいことがあるであろう。そう思った。

戒壇巡りを出たところには、このような張り紙が。

本堂の横手奥。
正面に阿弥陀堂。左手に裏地蔵尊がある。

まず裏地蔵尊へ。

菊の御紋章が目に入る。

こういう掲示があったので・・・

こう書いた。

歩を進めると、こういう庭が現れた。

このような庭である。

中からこう見る。

こうも。

奥の阿弥陀堂へ。

この奥に国宝の阿弥陀如来がおわします。

阿弥陀堂の扉には菊の御紋章。

そう言えば、裏地蔵尊の入口近くであったであろうか、このような石柱が立っていた。明治天皇が。

駅へ戻る。
その近くにこのような柱が。
北国街道木之本宿の木之本地蔵院、思いの他とても面白かった。
駅へ戻り、売店で小さなサンドウッチとコーヒーを買い、昼食とする。
儚げな観音さまがおわすところへ行くバスも、そろそろ来るころだ。


日馬富士と貴ノ岩とのゴタゴタ、だんだん真相が見えてきた。
日馬富士が貴ノ岩に暴力を振ったのは事実の模様。ビール瓶云々は別にして。同席していた白鵬が否定している。
この発言を聴いた時、白鵬は日馬富士をかばっているな、と思った。
しかし、今日、はじめに貴ノ岩に説教をしていたのは日馬富士ではなく白鵬であった、とのことも流れてきた。日馬富士の暴力沙汰はその後。
モンゴル力士の立ち位置、ヒエラルキーを考える。
謎はたちどころに氷塊していくよ。
とりあえず、モンゴル力士の問題は置いておくとしよう。単純であるから。
問題は、日本相撲協会の問題であることだ。
はっきり言って、日本相撲協会の執行部と貴乃花親方の問題である。
断言するが、貴乃花親方に非はある。
理事であり、巡業部長である職責を全うしていない。分派行動をとっている。この騒動を機に一気に日本相撲協会執行部に戦いを挑もうとしたようだ。先般の衆院選で、小池百合子が一気に首相の座を奪おうとしたのと同じような構図である。
日馬富士vs貴ノ岩の構図を、日本相撲協会vs貴乃花、つまり、八角vs貴乃花に持ちこもうとしたキライがある。

しかし、それには無理がある。
日本相撲協会がこの冬巡業に巡業部長の貴乃花を帯同させない、と決めたことはひとつの見識である。確かに、そうすべきである。
しかし、巡業副部長の玉ノ井まで同じ処分にしたことには異論がある。
玉ノ井、元大関栃東である。
栃東、質実剛健な男、ズルをせよと言われても、そんなことはできない男である。とても純朴な男である。
日本相撲協会よ頭を使ってくれ、との思いしきりである。


ところで、日馬富士問題はそれはそれであるが、実は稀勢の里の問題がある。

稀勢の里、今日も宝富士に敗れた。
これで9日目を終わって4勝5敗。
稀勢の里、横綱としてどうする。

今日の星取。
明日、この休場蘭に稀勢の里の名が入っていても不思議ではない。日馬富士、鶴竜、照ノ富士、貴ノ岩、といった力士と共に。
稀勢の里、自分のことが解っていないことが、なんて言おうか問題なのであるのだが。
しかしである。日本中が稀勢の里に甘く接するのも、おそらく今場所が最後になるであろう。
稀勢、ホントにギリギリの状態である。