ペンタゴン・ペーパーズ。

ドナルド・トランプがアメリカ合衆国第45代大統領に就任したのは、2017年1月20日である。
そのわずか45日後、スティーヴン・スピルバーグは『ペンタゴン・ペーパーズ』の製作を発表した。ベトナム戦争を分析したアメリカ国防総省の最高機密文書・「ペンタゴン・ペーパーズ」の内容を暴露、国民の前に明らかにしたワシントン・ポストの闘いの映画化である。権力に対するジャーナリズムの戦いの映画化を。
まさかまさかのトランプ政権が誕生した。ドナルド・トランプ、ことあるごとにメディアを叩き、罵倒している。そうした中、スピルバーグは一刻も早く報道の自由、国民の知る権利のために戦ったワシントン・ポストの戦いを描くべきだと考えた。
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スピルバーグ、製作発表から約1年で映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を完成、日本では昨2018年3月末に封切られた。
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監督:スティーヴン・スピルバーグ、主演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス。3人のビッグネームが組んだ。
多くの映画賞にノミネートされ、昨年のアカデミー賞にも作品賞と主演女優賞でノミネートされたが、受賞は逃した。
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アメリカ国防総省の最高機密文書・「ペンタゴン・ペーパーズ」、まずニューヨーク・タイムズがスクープした。
ワシントン・ポストの編集主幹であるベン・ブラッドリー、後を追う。長い年月隠されてきたアメリカのベトナム戦争の嘘を暴くため。
アメリカを代表するランド研究所のダニエル・エルズバーグからのリークらしいことが分かる。ワシントン・ポストの発行人、つまり社主はキャサリン・グラハム。ご亭主の死で新聞発行を引き継いだ元専業主婦。ベトナム戦争時の国防長官、ロバート・マクナマラとも友人である。
昨日記した日本の『新聞記者』も面白いが、アメリカの新聞記者の動きはダイナミック。「国家機密か、国民の知る権利か」、「何のために新聞はあるんだ」、日和ることなど許されないだろう。
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ワシントン・ポストの編集主幹、ベン・ブラッドリー、社主であるキャサリン・グラハムに政権との対峙を迫る。
トム・ハンクスとメリル・ストリープ、ビッグネームのからみ。
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政権中枢とも親しいセレブであるワシントン・ポストの社主キャサリン・グラハム、編集主幹ベン・ブラッドリーと共に国家の嘘を暴く。
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ワシントン・ポスト社主のキャサリン・グラハムと編集主幹のベン・ブラッドリー、「何のために新聞はあるんだ」を実践する。


ドナルド・トランプのアメリカ大統領就任以来、世界はおかしくなっている。
トランプ、気に食わないものに対しては、「フェイクニュースだ、フェイクだ」と言っている。いつまで言わせていいんだ。
1年少し前、スティーヴン・スピルバーグがドナルド・トランプのえげつなさをやりこめる映画を製作した。が、トランプは今もってアメリカ大統領。情けないよな。