リオ五輪 二十歳の樋口は東京で金を、その時古希の井村監督は銀を目指す。


昨日午前の陸上400メートルリレー決勝、アメリカを抑え2着、銀メダルがあまりにも衝撃的であったので、その前のことは端折ってしまった。
一昨日夜から昨日の明け方にかけても、幾つものメダルを取っている。

一昨夜10時半過ぎ、レスリング男子フリースタイル57キロ級、1回戦が始まった。
樋口黎、弱冠二十歳の若者である。

樋口黎、ベラルーシの選手を10−0、テクニカル・フォールで勝つ。

準々決勝もキューバの選手に8−4で勝つ。

二十歳の樋口、とてもアグレッシブ。
と、ここでNHKの中継映像、突然切り替わる。




男子50キロ競歩、残り2キロで日本メダル争いをしている、という。

荒井広宙が、カナダの選手と3位争いをしている。

残り2キロ。荒井が先行している。が、すぐ後ろにはカナダの選手。

カナダのダンフィー、樋口を抜き去る。

荒井、またも抜く。
その時、荒井の右ひじとダンフィーの左ひじが接触した。
この後、ダンフィーはよろめいた。

荒井、ダンフィーを振り切り3着でゴール。
競歩のメダル、日本初。

4着で入ったダンフィー、ひっくり返っている。左には、3位に入った荒井がひっくりかえっている。

荒井黎、日本初のメダル。が、荒井は失格となる。
先ほどの接触が問題とされた模様。
しかし、日本陸連も素早い対応を取る。長い協議の結果、荒井の失格は取り消される。
荒井、銅メダル。




NHKの画面、その後はシンクロの中継に切り替わる。

シンクロナイズドスイミング、以前は水面上の争いであった。
しかし、今は水中、いやそれ以上に空中の争いになっている。

日本のライバル、ウクライナの演技。
空中高く飛んでいる。

何とこれは体操のゆかか跳馬、いや高飛込みじゃないか。

中国も凄い。
飛ぶ。

飛ぶ。

飛ぶ。
まるで上海雑技団のよう。
ダントツのロシアの映像は撮らなかった。

ロシア、中国に次ぎ、ウクライナと3位争いをしている日本も飛ぶ。

飛ぶ。

二人で飛ぶ。
まるで、シンクロナイズド・スイミングじゃなく、シンクロナイズド・エアリアルじゃないか。

日本、2階立てのリフトも見せた。

日本、銅メダルを取る。
鬼の監督・井村雅代、選手一人一人を抱きしめる。

シンクロナイズド・スイミング・チームの最終成績。

表彰式後、次の東京大会のことを訊かれた井村雅代、こう答える。
「決まってるやないか。違う色のメダルや」、と。「このアホンダラ」、とまでは言わなかったが、井村雅代、東京五輪までやるつもりなんだ。
現在66歳の井村雅代、その時には70歳、古希となっている。
が、ロシアは難しいが、中国を抜いて銀メダル、と考えているようだ。
「毎日が地獄」と言い、「生きているのが不思議」とさえ言われる井村雅代の、厳しい練習に鍛えられる若い選手の皆さんに思いをはせる。
きついだろうが頼みます、と。




明け方近く、レスリング中継に戻った。

レスリングフリー、74キロ級の高谷惣亮は準々決勝で敗れたが、57キロ級の樋口黎は決勝へ勝ちあがっている。

樋口黎、準決勝でずっと目標にしていたというイランのラヒミを10−5で破る。

決勝の相手はジョージアの選手。
終始互角の勝負であった。が、敗れた。

とてもアグレッシブな闘いをする樋口黎、今、20歳の若者である。
樋口黎、4年後の東京では、金メダルを取ることであろう。


今、リオ五輪最終種目の男子マラソンが終わった。
日本の3選手、惨敗した。
思えばマラソン、男女とも栄光の過去がある。立て直す伯楽はいないのか。