吉備の国アート巡り(5) 大原美術館分館。

少し早い昼飯を食うため、中央通りの方へ戻る。倉敷美観地区近辺の”いかにも”っていう店よりも、普通の佇まいの食堂で食べよう、と思って。
ごく普通のレストランへ入る。定食のひとつにイノシシのソテーがあった。美作のイノシシ、と記されている。訊ねると、猪肉は豚肉よりもやや歯ごたえがあるとのこと。頼む。出てきたイノシシのソテー、美味かった。
レストランで暫らく休み、大原美術館へ戻る。

本館の後ろ側に分館がある。少し離れている。

途中、和風庭園がある。

分館はこの先。

こういう標識が。
分館は右手の方。

幾つもの黒いこういうものが現れる。

このような作品である。
先ほどの標識も、速水史朗の作品≪道標≫のひとつ。

オーギュスト・ロダン≪歩く人≫。
後ろの分館にも、”mt”・カラーマスキングテープが。

分館前で写真を撮っていた。
と、後ろからポンと肩を叩かれた。
振りかえると、午前中に本館で会った話好きのボランティアの女性。午後は分館へ来たようだ。「私が貴方を撮ってあげる、そこへ立ちなさい」、と言う。

「もっと近くでも」、と言われたが、この程度の距離のワンショットで収めていただく。元気印の気持ちいい女性であった。

分館前庭の作品を幾つか。
ヘンリー・ムーア≪横たわる母と子≫。

イサム・ノグチ≪山つくり≫。

津久井利彰≪樹に染まり≫。

分館内の作品を幾つか。パンフから複写する。
これは、梅原龍三郎≪裸婦扇≫。

左上:佐伯祐三≪パリ街景≫、左下:岸田劉生≪静物ー赤りんご三個、茶碗、ブリキ罐、匙≫、右上:草間弥生≪NO.RED.Z.A.≫、右下:樋口佳絵≪耳障りな音≫。
なお、分館地下ではARKO受賞者たちの作品展が行われていた。
ARKO、”Artist in Residence Kurashiki,Ohara”の略である。大原美術館によるアーティスト・イン・レジデンス・プログラムである。
若い作家を年間一人、最長3か月、住まいと生活費(1日につき3000円)を支援し制作をさせるというものである。若い作家にとっては、ロケットの発射台のようなもの。
大原美術館にとっては新しい時代を切り拓くひとつの試み、と言えるものであろう。

大原美術館分館を後にする。
速水史朗の≪道標≫、その配置、なかなかニクイ。道にはみ出ているものがあるなんて。