吉備の国アート巡り(13) ベネッセハウスミュージアム。
ベネッセエリア内、ベネッセのシャトルバスが走っている。無料である。
ベネッセハウスミュージアムへ行く。
コンテンポラリーアート(現代美術)の聖地と言われる直島、その始まりは1992年、福武總一郎がベネッセハウスを造ったことにある。今、巨大な通信教育会社となっているベネッセコーポレーション、その前身は岡山の企業・福武書店。その二代目である福武總一郎、鋭い経営感覚で福武書店を伸ばし、ベネッセコーポレーションに変身させた。
「總一郎」という名前を受け継いだ郷里の先達・大原總一郎と同じく、企業活動から得た富を文化事業に活用したい、と考えたようだ。
で、1980年代後半父親から事業を引き継いで以来、直島の町長と会ったり、安藤忠雄と会ったりして直島を現代美術の拠点にという思いを強めたようだ。
ベネッセハウス、専用の桟橋も持っている。
ベネッセハウスミュージアムへ。ベネッセハウス、ミュージアムとホテルで構成されている。
この後ろというか奥というか、ミュージアムとは別にオーバル、ビーチ、パークというホテルがある。スイートだけというところもある。料金は民宿の10倍程度はするようだ。だから、多くの人は民宿に泊まる。私も。
ところどころ、外が見えるところがある。
ミュージアムの館内、撮影禁止である。が、外に開けているところ、壁がなかったり天井がなかったりといったところの撮影は、大目に見られているようだ。
この部屋、天井がない。空が見える。
で、多くの人が集まっている。作品を触ったり写真を撮ったり。子供たちもいる。
白く柔らかな曲線がつくり出す大理石のフォルム。安田侃≪天秘≫。
向こうの男は、滑らかな大理石の上にひっくり返っている。これはチトやりすぎだ。
外へ突き出たここには、天井はあるが、壁がない。
リチャード・ロング≪十五夜の石の円≫。
ミュージアムカフェで昼食を取った。その窓の外にはこの作品が。
大竹伸朗≪シップヤード・ワークス 船底と穴≫。
直島には大竹伸朗の作品が幾つかあるが、その最初の作品とのこと。
外へ出る。二つで構成されている。
その裏側。
ベネッセハウスミュージアム、丘陵地を利用している。
こちらの方から下を見る。ガラスを通し館内が見える。
外のコンクリートの壁に取りつけられているのは、杉本博司≪タイム・エクスポーズド≫。
「原始人が見た海を現代人も同じように見ることは可能か」、という視点に基づいて再作された「海景」シリーズの写真。屋外であるから、当然のことながら風化していく。「時間」ということも考えている模様。
杉本博司の作品が取りつけられたコンクリートの壁面の向こうには、瀬戸内の海が見える。
室内の作品を二つ、パンフから。
国吉康雄≪Mr.Ace≫。
ジャン・ミッシェル・バスキア≪Gua Gua≫。
バスキア、つむじ風のように駆け抜けていった。
目を転じると瀬戸内の海が見える。
趣き深い。
地中美術館の整理券に記された入館時間、2時半に近くとなる。
地中美術館へ行くため、ベネッセシャトルバスの停留所へ行く。
インディアナの予備選で、ドナルド・トランプ、共和党の大統領候補となることがほぼ確定した。惨敗を喫した対抗馬のテッド・クルーズが撤退表明をした故。
何ということになった。秋には、トランプとヒラリーの戦いとなる。
今のアメリカ、プア・ホワイトばかりじゃなくエスタブリッシュメント、コンサバティブに対する反感は強い。
右も左もない戦いとなろう。コンサバティブもリベラルも関係ない戦いとなろう。今のアメリカでの不平不満層、国民の過半を占める。トランプ大統領の誕生となろう。
アメリカにトランプ、ロシアにプーチン、そして中国に習近平、何てイヤな世界となることか。
心ある者は、おさらばするに如かずってことになるな。