ショウさんは、モノクロームを突きつめる。

平塚ショウの作品を観るのは、4回目であろうか5回目であろうか、いずれもその作品はモノクローム。黒か白。
平面作品は黒。紙に2Bの鉛筆。立体作品は白。木にジェッソを塗ったりそれを削ったり。黒か白のモノクロームであるが、共に色彩が隠されている。
2Bの鉛筆のみでびっしりと描かれた線の連なりにも、色彩を感じる。色彩が匂い立つ。モノクロームなのだが。木にジェッソを塗ったり削り落したりした立体には、鉛筆や絵具も使われることがある。今回の作品は、そのようなものであった。

ショウさんからの案内ハガキ。
今回の会場は、渋谷から青山通りを7、8分上り、一本裏道へ入った珈琲&ギャラリー ウィリアム・モリス。
カフェの中に入ると、ショウさんがポツンとひとりカウンターの端に座っていた。
平面作品もあったが、展示の中心は立体の小品10点足らず。
「写真を撮ってもいいでしょうか」、と訊くと、「ええ」、と言い、すぐ「あ、ここはダメだったんだ」、とショウさんは続ける。カフェ&ギャラリーの女性店主も「撮影はお断りしています」、と言う。仕方がない。頼んだコーヒーを待つ。と、カフェの店主、「ショウさんがいいならいいですよ」、と言う。
カメラを取り出し、手近かな作品から撮る。

タイトルは、≪No.2015Mar.B−green 緑の中へ≫。
木にジェッソを塗った作品。微かに淡い黄色っぽいグリーンを感じる。

階段というか段々は、移動できる。

タイトルは、≪No.2015Mar.C−aech 瞑想のとき≫。
”aech”の意味は解からないが、そこはかとなく、やはり淡い黄緑色が立ち現われる。

後ろから見る。

タイトルは、≪No.2015Feb.A 登って眺めてください。≫。
ジェッソのつきようなど少し異なるが、案内ハガキにある作品である。
と、カフェの女店主から声がかかった。
「もうそれで撮るのは止めてください」、と。
シャッターを切ったのは、7、8カット。撮った作品は3点のみ。仕方ない、カメラをしまった。
女店主、こう言う。
「ブログなんかで見ると、それで観た感じになり、店に来なくなる」、と。驚いた。ブログなどに載せると、それを見た人が興味を持ってそこへ行く、と思っていたが、そうではないのか、と。
いずれにしろ、モノクロームを突きつめているショウさんの作品、残念ながら3点のみ。
普段はマックやドトールのコーヒーを飲むことが多い私、さすがウィリアム・モリスのコーヒーは、美味かったが。