ルーシー。

人間の脳って、通常10%程度しか機能していないそうだ。
それが100%覚醒するとどうなるかって、そんなことどうでもいいって言えばどうでもいいのであるが、まあ、荒唐無稽なことが起こるであろう程度のことは予測される。10%どころか、数%ぐらいしか機能していない私には。

ルーシーって名前の若い女の子、台北の町で知りあった男にだまされ、コリアン・マフィアの手に落ち、麻薬の運び屋とされる。体内に新種の麻薬を埋めこまれ。ことほどさように、ルーシー、ちょっとおバカなごく普通の女の子だったんだ。
ところが、その体内に埋めこまれた麻薬が漏れ出す。それにともない、彼女の脳内に変化が起きる。脳の機能がどんどん覚醒していく。
そんなのありぃーってことが次々と出てくる。

『ルーシー』、監督は、異脳の男・リュック・ベッソン。ルーシーに扮するのは、スカーレット・ヨハンソン。
スカーレット・ヨハンソン、アメリカの女優であるが、その元々の出自は北ヨーロッパであろう。この瞳を見れば。それにしてもこの瞳、猛禽類を思わせる。たしかにそう。脳の覚醒度が上がるにつれ、めったやたらに強くなる。
コリアン・マフィアとのガンファイト。マシンガンどころかロケットランチャーまで操り、コリアン・マフィアを叩きのめす。
パリの町中でのカーチェイスもある。一方通行を全速力で逆走する。車のハンドルを握るのは初めて、というのに。怖いもの知らずである。脳が覚醒していくのだから。

ルーシー、つい12時間前までは、普通の女の子だったのに。

ルーシーの脳、10%ずつ覚醒する毎にこうなっていく。人智を越えた領域に入る。
80%で人間性を失い、90%で制御不能、そして、100%で、となる。
そう、忘れてはいけない。モーガン・フリーマンが出ている。脳科学者・ノーマン博士として。ルーシーとノーマン博士、連絡を取りあう。
ルーシー、ノーマン博士にUSBを渡す。どういうことって、観てくれと言う他ない。この手の話、実は、私は苦手なんだ。
なお、「ルーシー」ってのは、エチオピアで発見された世界最古の人類の名前であるそうだ。