コロンビアーナ。

「デンジャラス・ラン」のケープタウンもヤバイところが幾らもあるが、コロンビアにもヤバイところは多いようだ。何しろ、コロンビアと言えば麻薬マフィアで著名だから。
「コロンビアーナ」、制作・脚本:リュック・ベッソン、監督:オリヴィエ・メガトン。マフィア絡みのアクション映画。当然のことである。

「お嬢ちゃん、いい子だから、パパが大事にしていた小さな箱を出してくれない? いい子だから」。マフィアの男は、9歳の女の子にそう言う。机の上に手を乗せ、優しい口調で、「いい子だから」、と。1992年のこと。場所は、おそらく首都・ボゴタ。少女の名はカトレア、コロンビアの国花と同じ名だ。
その瞬間、マフィアの男の絶叫。9歳の少女、机の下に隠し持ったナイフを振り下ろす。マフィアの手を机に突き刺す。一瞬の早業、絶叫を残し、マフィアの手と机は合体した。
何しろ、その直前、少女の両親がマフィアに惨殺されている。少女の親もマフィアである。しかし、組織の大親分に狙われた、殺された。
少女は逃げる。学校の制服を着た9歳の女の子、ボゴタの町を逃げる。マフィアの追っ手は迫ってくる。屋根から屋根、窓をすり抜け庇から庇へ。凄まじい逃走劇。ハラハラドキドキ、とさせてくれる。
この子役、アマンドラ・ステンバーグという名だそうだが、表情もいい、演技もいい。将来、人気を博す女優となるのではなかろうか。
それはそれとして、この子・カトレア、万が一の時にはこれを持ってアメリカ大使館へ行け、と父親からICチップを貰っている。マフィアの手から何とか逃げおおせたカトレア、アメリカ大使館へ行き、アメリカへ。ともかくアメリカへ入国できる。
9歳の女の子・カトレア、道を尋ね尋ねてシカゴの叔父の元へ行く。この叔父も、どうもマフィア。この叔父にカトレア、こう言う。「殺し屋になりたい」、と。カトレア、親の復讐をしたいんだ。しかし、この叔父、カトレアに学校へ行け、と言う。

15年の歳月が流れる。
24歳となったカトレア、暗殺者、美しい殺し屋になっている。役者は、ゾーイ・サルダナに変わっている。ゾーイ・サルダナ、アフリカンの血が半分以上入っている面持ち。
ゾーイ・サルダナ、細い、ホソーイ。昨日の久保寺洋子が工藤静香について言っていた「いやー、細い」なんてものじゃない。超スリムな女優。
ミニスカートというもの、通常、膝上20センチが限度であろう。それ以上だと、いろいろ不都合なこともある。
しかし、ゾーイ・サルダナ扮する美しき暗殺者・カトレアは、膝上30センチを超えるんじゃないかと思われるミニで闊歩する。これほどのミニ、初めて見た。カッコいいったらない。何と言ったらいいのか、ただ凄い。
美しいと言うか、しなやかなと言うか、そのような殺し屋となったカトレア、20数件の殺しを果たしている。
FBIやCIAも出てくる。何しろコロンビアのマフィアのボス、CIAと司法取引のようなこともしているんだ。汚ねーんだ、マフィアのボス。しかし、カトレアにとっては復讐すべき敵。
FBIやCIAから追われながらも、カトレア、マフィアのボスに迫る。カトレア、さまざまな方法で相手を殺す。銃撃戦もある。獰猛な犬に相手を喰い殺させることもある。人喰いサメに食い殺させることも。そのアクションの数々、面白い。
アクション映画、面白くなきゃね。エンターテインメントなんだから。「コロンビアーナ」、十分楽しませてくれる。