her 世界でひとつの彼女。

今日の舞台は、近未来のロサンゼルス。カミさんから離婚を迫られている男・セオドアの物語。

『her 世界でひとつの彼女』、監督は、スパイク・ジョーンズ。アカデミー賞作品賞ほか5部門でノミネートされた。脚本賞を受賞した。
この春に公開された作品であるが、私が観たのはつい先日。柏にあるキネマ旬報の直営館で。キネ旬のシアター、昔の名画座のような機能を果たしてくれている。はるか昔の作品を掛けることもあり、近場ではあるが見逃したな、という作品を追っかけ上映してもいる。助かる。

タイトルは、「世界でひとりの彼女」ではない。”ひとり”ではなく、”ひとつ”なんだ。
人間ではなく、AI(人工知能)との物語なんだから。
ある日、セオドアが最新型のAI型OSを起動させると、画面の奥から明るい女性の声が聞こえる。
このように・・・

「ハロー」、とセオドアが声を掛ける。と、コンピュータの画面から「ハロー、私はサマンサよ」って返事が返ってくる。
サマンサは、AIなんだけどユーモラスで、純真で、セクシーで、誰よりも人間らしいんだ。

主人公のセオドア、こう思って、だんだんAIのサマンサとあり得ないはずの恋に落ちていく。

どこにでもある恋する気持ち、見たことのない愛のかたちが展開する。

このような場も。
不思議なラブストーリー。

それにしても、近未来のいつの日か、こんなことがあるのかな。<声だけの君と出会って、世界が輝いた>なんてことが。
ほんの数十年前までは、私たちはネットの世界も知らなかった。数十年先には、AIの世界もごく日常の世界となっているかもしれない、な。


昨日、朝日新聞の社長が謝罪会見を行なったそうだ。
今日、新聞を見るまで知らなかった。
昨日の関東は豪雨であった。その中、私は昼すぎから出かけていた。夕刻には友人の久保寺洋子が出品している二科展の会場へ行き、その後は古い仲間連中との飲み会であった。
跳ねたのは、さほど遅い時間ではなかったが、私はコーヒー屋へ寄って酔いをさましたり、そば屋へ寄ったり、と時間を潰し、遅い時間に帰宅した。テレビニュースなど何も見なかった。ただアカデミー賞がらみの映画『ダラス・バイヤーズクラブ』のことのみ、ボーとした頭で記して寝た。
このところの朝日新聞、四方八方から集中砲火を浴びていた。
従軍慰安婦問題、それに加えて東電福島原発での吉田調書の問題。共に大きな誤報であった。
前者では、撤回遅ればかりでなく、謝罪の言葉がない、との批判が相次いだ。また、池上彰の「新聞ななめ読み」の掲載拒否の問題も火に油を注いだ。
東電を叩いた福島第一原発での吉田調書の問題もある。
今日の朝日新聞の記事では、社長の木村伊量、<みなさまに深くおわびします>、と署名記事で謝罪している。
今日の朝日は当然であるが、読売の扱いも凄い。一面トップばかりじゃなく、7〜8面に亘っている。ここを先途と攻めたてる。
朝日の解約者が増えているらしい。読売の購読者、このところ1000万を切っていたが、朝日からの切り替えでまた1000万を回復するであろう。
それはともあれ、朝日の誤報、及びそれへの対応、その源はいずれにあるのか。構造的な問題か、記者の資質の問題か、ということが言われている。
共に問題だ、と言いたい。
朝日の読者、半分に減ってもいいんじゃないか。その中で出直すべきであろう。