病牀五輪(7) 渡部暁斗とドイツ3人組。

スキーノルディック複合のチャンプは、「キング・オブ・スキー」と言われる。渡部暁斗は今シーズン、そのノルディック複合のワールドカップで首位に立っている。
渡部暁斗、前回のソチ五輪の複合ノーマルヒルで銀メダルを取っている。もう銀メダルはいらない、金を取ると臨んだノーマルヒル複合は、またもや2位、銀メダルであった。またもドイツのエリック・フレンツェルに敗れた。
最後の最後、渡部暁斗はエリック・フレンツェルに振り切られた。解説のかっての「キング・オブ・スキー」萩原健司、こう叫んでいた。「速いな、エリック。エリック、速いな」、と。
ところで、冬季五輪の各競技、かってのスターが解説をしていることが多い。ノルディック複合の解説をしていた萩原健司の解説は、とてもよかった。時として客観性を外れることもあるが、それが少しもイヤミでない。感じがよかった。逆にこう言っちゃなんだが、スキージャンプの解説をしていたかってのスター・原田雅彦の解説は何ともというものであった。原田雅彦、人はいいのであるが、さしたることを話していなく思える。原田本人はそのつもりではない模様なのだが。だからよけいに。
それはともかく、スキーノルディック複合ラージヒルである。
今度こそは渡部暁斗、金メダルを取るかという舞台である。

複合後半、距離のスタートリスト。
前半のジャンプラージヒルで、渡部暁斗はトップに立っていた。
解説の萩原健司はこう語る。
「2位、3位の選手は、渡部暁斗の走力からしては大丈夫です。問題は4位、5位、6位と続くドイツの選手です」、と。

彼らドイツの3人が協力しあいながら渡部暁斗に迫ってくる、と萩原健司は続ける。

渡部暁斗がスタートし、すぐノルウェーの選手がスタート。16秒後にオーストリアの選手がスタート、次いでドイツの3選手が次々とスタートしていった。

フレンツェル、ルゼック、リースレのドイツ3人組。
渡部暁斗とのスタート差、20〜30秒差では渡部暁斗苦しいは苦しい、と萩原健司は語る。

渡部暁斗は1秒差2位スタートのノルウェーのリーベルと逃げる。

2周目に入った2.5キロ、ドイツの3選手、16〜17秒差に迫ってくる。

ドイツの3人組、風よけの先頭を入れ替わりながら渡部暁斗を追いかける。
今日のタイトル、「渡部暁斗とドイツ3人組」としたが、厳密に言えば、「渡部暁斗 vs ドイツ3人組」と言う方が相応しい。渡部暁斗が個人でドイツ3人組と戦っていると言える。
渡部暁斗は善玉・ベビーフェイスで、黒いユニフォームのドイツ3人組の塊りは悪玉・ヒールに思えてくる。

ベビーフェイス・渡部暁斗とヒール・ドイツ3人組との差は13秒となった。

2番スタートのノルウェーのリーベルが思いの外頑張っている。
萩原健司、こうも語る。渡部暁斗のスキーの滑りが悪い、と。
それよりも、ドイツ3人組の塊りがすぐ後ろに見える。

ドイツ3人組、先頭の渡部とリーベルに追いつく。

しかし、ドイツ3人組、すぐには追い抜かず渡部暁斗を前に押しだす。
ずるいよドイツ3人組。さすがヒールとも思うが。

7.5キロすぎ、渡部とノルウェーのリーベル、そしてドイツ3人組との競り合い。

終盤、渡部暁斗、一瞬スキーを取られてしまう。その期を逃さずドイツ3人組スパートをかける。
後で渡部暁斗、こう語っている。「あそこでスキーを取られなくても負けていました」、と。潔い。さすが、ベビーフェイスの言葉である。

渡部暁斗、置いていかれる。
解説の萩原健司はこう語る。ドイツの3選手は強い、そしてノルウェーのリーベルも、と。

ゴール前。

ドイツ3人組、1、2、3位、表彰台独占。
左の
着順は、1位ルゼック、2位リースレ、3位フレンツェル。
ゴール後、黒いユニフォームのドイツ3人組、抱き合い固まる。

渡部暁斗、ドイツ3人組と健闘したノルウェーのリーベルに続き5位でゴール。

渡部暁斗、倒れこむ。
思えば、スタート順の4、5、6番がドイツの3選手が続くとなったところで、この結果が予見されていたのかもしれない。
渡部暁斗、個人で団体戦に挑んでいたようなものだから。

ノルディック複合ラージヒル最終結果。
オリンピックの金メダルは、またお預けとなってしまった。
が、肋骨が折れていると言いながら、昨日はまたワールドカップで優勝している。渡部暁斗、類い稀なアスリートであることには違いあるまい。



昨日、財務省は森友文書が書き換えられていたことを認めた。
今日、図書館へ行った折り、全国紙の今日の一面を読んでみた。全国紙各紙、この問題に対する温度差はある。
今回の急展開、元はと言えば、朝日新聞による「森友文書」の書き換えがあった、との報道があった故。安倍政権が潰れるか、朝日新聞が潰れるか、というガチンコ勝負のセメントマッチとなった。
最終判定を出すのはまだ早いが、安倍政権側が半分程度白旗を掲げた、とは言えるであろう。
今日の全国紙の一面の一面。
一面トップの見出しは、白抜きに「改ざん」の文字。

問題に火を点けた朝日新聞の今日の一面。
トップは白抜きに「改ざん」の文字が。

読売新聞の今日の一面。
白抜きは使わず、「理財局が」の文字。麻生太郎の言葉を用いている。また、今日に至るも、「書き換え」という表現を使っている。

毎日新聞の今日の一面。
毎日は、「改ざん」である。

日経は一面トップではあるが、ややそっけない。
日経はやはり、「書き換え」だ。

今日の産経新聞の一面はどうか。
産経は、「書き換え」である。
しかし、産経は他紙とは異なるところがある。「改ざん」ではなく、「書き換え」派ではあるが、この財務省の森友文書問題に力を入れている。
お前、何ちゅうことまで言うんだ、と言うことも含めて。左の編集局次長兼政治部長の言葉などもそれ。
いざとなれば、国民に信を問えばいい、と記している。何のかのと言っても、国民の自民党への支持は高い。選挙をすればどうのこうのなんて払拭できる、と言うんだ。そうなんだろうな、と思う。

全国紙5紙に加え、それに次ぐブロック紙の雄・中日新聞はどうか。
中日新聞の東京エリアでの配布は東京新聞として発行されている。今日のその一面。
東京新聞、一面すべてを使って森友疑惑の財務省の発表を報じている。「改ざん」だとも。


時折り、学生時代の仲間・吉岡(早見堯)からメールが来る。一昨日も来た。
その前日あたり私が羽生結弦や金正恩とドナルド・トランプの米朝首脳会談に」ついて記したことについてのもの。
吉岡(早見堯)のメールは長い。一昨日のものは、1行55字詰めで約60行、400字の原稿用紙に直せば約8枚に及ぶもの。
さまざまなことが記されている。羽生結弦の国民栄誉賞と朝日憎しの安倍晋三とのことごと。森友疑惑に」対する安倍政権の対応。米朝関係、北朝鮮は太平洋戦争前の日本に似ている。どうすればいいのか。多くのことが記されている。
たしかにその通り。
こうであるのが、いいのかなー。
さまざまなことがあるので繋がっているとは言えないのであるが。


つい先ほど、ドナルド・トランプ、国務長官のティラーソンを解任、CIA長官のポンペオを