アートフェア東京2014。

アートフェア東京へ行く。4年ぶり。

一昨日、一般公開初日に。
リタイア後は、毎日絵描きをやっているY.S.も行っているんじゃないかな、と思い電話すると家にいた。夕刻、会場の出口で会うことにする。

会場は有楽町、東京国際フォーラムの地下2階。この下。

会場入口。
会場内は、原則として撮影禁止。係員に訊くと、撮影の可否はそれぞれのブースの人に訊いてください、とのことである。
入ってすぐ、「日本が創った近代」というコーナーがあった。中川一政、佐伯祐三、阪本繁次郎、藤田嗣治、安井曾太郎、梅原龍三郎、麻生三郎、鳥海青児、・・・、・・・、山口薫、林武、といった人気作家の作品が展示されている。出展しているのは、日動画廊その他の老舗画廊。
どうせダメに決まっている。「写真を撮ってもいいでしょうか?」とは訊かなかった。
その日動画廊のブースには、藤田嗣治の作品が数多く展示されていた。
1950年代から60年代のいかにも藤田嗣治らしい10号前後の作品4点に、売約済みの赤マルがついていた。おそらく数千万であろう。
「写真を撮ってもいいでしょうか」、とは訊けなかった。
熊谷守一、香月泰男、瀧口修造の≪デカルコマニー≫を出展しているブースもある。
篠田桃紅の作品のみを扱っているブースがあった。墨と赤い顔料。係の人に訊くと、この赤い顔料、中国の鉱物による顔料であるそうだ。それにしても篠田桃紅さんはもう、と思い訊くと、「ご存命です。間もなく101歳におなりになります」、という声が返ってきた。驚いた。

「脈々と具体」、となっている。
鳩ノ森美術のブース。「写真を撮らせてもらってもいいですか?」、と訊くと、「どうぞ、どうぞ」、との応え。
正面のこの作品、森内敬子の作品である。
1950年代から60年代、70年代にかけての具体美術の運動、日本美術に衝撃を与えた。森内敬子、当時最も若い具体の仲間。今も、前衛を突っ走っている模様。
作家が来ていた。係の人から森内敬子を紹介された。私と同年輩。手書きの名刺を貰った。小柄ながらアグレッシな印象を与える女性であった。

堀尾貞治の作品。
50年前、具体だなーって感じがする。

BTfeat.金崎亮太。
金崎亮太、30代の作家だそうである。それ故、「脈々と・・・・・」。

台湾のTKG+という画廊の出展作。
以前、中国へ行っていた頃、幾つかの仏龕を求めたことがある。この作品、その仏龕に似ている。
そのことを訊くと、そうであった。仏龕からインスパイアーされた作品、とのこと。
作者は、陳敬元(チェン・チンーイェン)。1984年台南生まれの男である。

仏龕の中、仏さまが入っているのではないが。

こういう状況ではあるが。仏龕。

こういうブースがある。香港のギャラリーEXITのブース。
「問之未来基金」というものである。

左の壁面にはこういうもの。
ごく一部にしか光が当たっていない。
若い夫婦の写真。小さな幼子にミルクを飲ませている。金のおしゃぶりもある。

「問之未来基金」、こういうものである。
お読みいただけるであろうか。
小柄な女性がいた。頭髪を刈りこんでいる。丸坊主に近く。カッコいい。とても魅力的な女性であった。
「貴女がこの作品の作家なのか?」、と訊いた。「違う。私はこの作品の作家ではない。私はライターなんだ」、との答えが返ってきた。「小説を書いているのか?」、と訊いた。「「いや、美術に関するものを書いている」、との答えが返ってきた。
香港のライター、カッコよかった。

神保町の大屋書房が江戸期の書籍を出展している。浦上蒼窮堂は北斎漫画を出展している。中に、これがあった。
出展社は角匠。肉筆浮世絵を多く扱っている、という。ところで・・・
鳥居清長の≪袖の巻≫、と言われてピンとくる方は、相当な日本美術通。
「十図もあるのか」、あるいは「二つ欠けているのか」、と思われるお方は、日本美術通というばかりじゃなく、春画に通じたお方。
鳥居清長の≪袖の巻≫、春画の最高傑作のひとつ。昨年秋から今年初めにかけて大英博物館で催された「春画展」にも出展された。
「因みに、この作品幾らなんですか?」、と訊いた。「1700万です」、との応え。なお、12図揃っていた場合には、その値は4000万円になるそうだ。
赤マルが付いている。
「どういう人が買ったのでしょうか」、と訊いた。
国際日本文化研究センターです」、との応えであった。「日文研ですか」、と訊いたら、「そうです。文科省所管の日文研です」、との答え。
そういうことか、との思いあり。許しを得て、タイトルのみ写させてもらった。

三越がセレクトした藝大若手アーティスト。
皆さん、藝大の大学院を出たあと奮闘している。若手とは言え40前後でもある。
厳しい、と言えば、厳しい。三越の目にかなった人は恵まれているのであろう。
夕刻、会場出口でY.S.と待ち合わせ中華屋で飲む。