8月6日。

今年の夏は、ロンドン五輪の夏である。しかし、今日だけは、忘れてはならない夏、広島の夏である。
広島平和記念資料館のウェブサイトを開く。まず、こういう文字が目に入る。
”忘れてはならない夏がある。 昭和20年8月6日”
その日から、67年目の夏。原爆のことなど知らない人が多くなっている。どうすべきか。67年前の広島の今日、伝え続けなければならない。

今日の記念式典。
駐日アメリカ大使・ジョン・ルース、今年も参列した。

原爆ドーム。いずれの写真もNHKの画像から。

こう語る人、この人ばかりじゃないだろう。
昨日の読売新聞に、広島、長崎への原爆投下を命令した、時のアメリカ大統領・ハリー・トルーマンの孫への単独インタビューが載っている。
トルーマンの孫・クリフトン・トルーマン・ダニエルさん、広島を訪れ、「核兵器廃絶を願う」と語っている。「私は米国の教育を受け、原爆投下は早期終戦のためと教わった。・・・・・」、とも語る。「オバマ大統領が掲げる『核兵器なき世界』はとても力強いメッセージだ」、とも。
トルーマンの孫のクリフトンさん、今日の広島の記念式典にも参加した、という。9日の長崎での式典にも参加するそうだ。
「祖父から原爆投下について直接、話を聞いたことはない」そうだが、今、55歳のクリフトンさんの心には、原爆、核兵器の問題が、大きく、また重く、のしかかっているのだろう。
また、地味な記事だが、今日の朝日新聞に、”米国の俳優、原爆と向き合う”、という記事が載った。
アメリカの俳優のベニチオ・デル・トロが、5月に広島を訪れた、というもの。
ベニチオ・デル・トロ、4年前のチェ・ゲバラを描いた映画『チェ 28歳の革命』、『チェ 39歳別れの手紙』で、主役のチェ・ゲバラを演じた俳優である。
そのハリウッドで主役を張る俳優が広島を訪れている。原爆の問題、広島、長崎の問題、はっきり言って、アメリカではとても微妙な問題である。広島に触れることによって、それまでのキャリアをフイにすることもあり得る。
ベニチオ・デル・トロ、広島には3日いたそうだ。
<平和記念公園や原爆ドームを歩いた。案内した広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長の説明に対し、原爆投下機のルートなどについて質問を繰り返す。・・・・・>、とある。
トルーマンの孫にしろ、ハリウッドで主役を張る俳優にしろ、何らかの影響力を持つであろうアメリカ人が広島に来ている。時代は、徐々に変化しているのかもしれない。
ところで、チェ・ゲバラとフィデル・カストロのキューバのすぐ下にある国が、ジャマイカである。小さな国ではあるが、短距離は滅法早い。
今日、100メートル決勝が行われた。


ウサイン・ボルト、慎重なスタートながら、50メートルあたりから他を引き離す。100メートルでは、他を圧倒。
1位ボルト、2位ブレーク、3位ガトリン。ボルトとブレークは、ジャマイカ。ガトリンはアメリカ。ボルト、2連覇。
ボルトのタイム、9秒63は、オリンピック記録。

ジャマイカ、小さな国である。人口も少ない。しかし、短距離を走ると滅法速い。
ラテンアメリカの国、カリブの国、ジャマイカ、ウサイン・ボルト、そして、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラ。
チェ・ゲバラ、1965年、フィデル・カストロへの別れの手紙にこう記す。
<勝利に向かって常に前進せよ。祖国か死か>、と。