ウーン、今一歩。

1分53秒21を泳ぎ、トップとのタイム差、100分の25秒、2位とのタイム差100分の20秒である。
1分53秒と少し、つまり、113秒余でその差はコンマ2秒余。その差は限りなく少ない。紙一重。しかも、2位はあのマイケル・フェルプス、北京五輪で金メダル8つを取った怪物だ。
男子競泳200メートルバタフライ、松田丈志、3位となった。北京に続きロンドンでも銅メダル。
金を狙っていた。可能性は十分あった。
松田丈志、北京オリンピックの時、ビニールハウスのプールで育った選手として世に知られた。さらに、そのコーチが女性であること、そのおばさんコーチとずっと二人三脚を続けていることも、よく知られることとなった。
どこかエリート選手とは違う。だから、松田には、何とか金を取らせてやりたかった。
しかし、今一歩及ばなかった。
113秒余で、わずかコンマ25秒の差。わずかではあるが、大きな差。
今一歩ではあるのであるが。
先ほど終わった卓球の石川佳純も、今一歩であった。
卓球の3位決定戦、石川佳純、シンガポールの選手に、0ー4でストレート負けした。
すべては第1ゲームであった。第1ゲーム、終盤まで石川佳純がやや先行していた。しかし、最後の最後で決めきれなかった。そのゲームを落とした後、2、3、4ゲーム、と続けて落とした。
力の差はない。今一歩であった。
卓球初のメダルは為らなかった。だが、今一歩まで迫った。
しかし、このこと、”ウーン、今一歩”、でもあるのであるが。