パリ+リスボン街歩き  (48) エスパス・ダリ(続き×2)。

ダリが、ポール・エリュアールのカミさんであるガラと出会ったのは、1929年、ダリ25歳の時。ロシア生まれのガラ、ダリより10歳年長。1934年、ダリとガラは正式に結婚する。

ガラは、ダリのミューズとなる。
ダリ・ド・ガラ、ガラ・ド・ダリ(ガラのダリ、ダリのガラ)となる。1982年、ガラが死ぬまで50年近く。
しかし、ガラは奔放な女だ。次々と若い恋人を作るは、黙って家を出て行ってしまうは、と。

でも、ダリにとって、”ダリ・ド・ガラ(ガラのダリ)”は変わらない。
ガラ、ダリよりも10歳も年上のくせに、若い男を作っては出て行ってしまう。ダリが気の毒じゃないか。”ガラがあってこそのダリ”、と言っているダリが。”ガラ命”のダリが。
長い間、そう思ってきた。
ところが、ダリが愛した女はもうひとりいる、という。6、70年代のディスコクィーン、アマンダ・リアがその人だという。松岡正剛の『千夜千冊』の第百二十一夜『サルバドール・ダリを愛した二人の女』で知った。
ブライアン・ジョーンズ、ミック・ジャガー、デビッド・ボウイ、その他多くのスーパースターと浮き名を流したアマンダ・リア、18年もの間、サルバドール・ダリの情人であったそうだ。
気の毒だなダリ、と思ってきた気持ち、少し和らいだ。

そうは言っても、こういう立体もある。
サルバドール・ダリ、少しお疲れだ。

エスパス・ダリを出ると、ブティックに出る。
版画や立体彫像のレプリカなどが並んでいる。書籍や装身具などもある。今回の特別展「ダリのサイン」の薄いパンフレットを求めた。

ブティックに並ぶ立体彫像のレプリカ、エスパス・ダリの会場に展示されている、このような作品のレプリカなんだ。サイズも、これよりはやや小さくなっている。

それより、ブティックから地上へ出る階段に掛かっているダリの顔写真が面白い。
こういうものもある。

こういうものもある。

こういうものも。
ダリの髭、一様ではない。

エスパス・ダリのブティックの出口。
真っ赤な唇、ダリではなかろう。だれのものぞ。