パリ+リスボン街歩き  (46) エスパス・ダリ。

モンマルトル、テルトル広場のすぐ近く。雨に濡れた石畳が光っている。

ここを左。

その先を右。

4階建ての建物の地下に、エスパス・ダリはある。
エスパス・モンマルトルともいうようだ。以前に一度だけ行ったことがある。何じゃこれ、と思った。それ以来行ったことがない。美術館とは、たしかに謳っていない。エスパスだ、スペースだ、まあ、場所だ。
サクレクールへ行き、昼飯を食った後、同行のAが、ガイドブックにはモンマルトル美術館が載っているのだが、と言った。現代美術が好きなAにとっては、あんな所よりはエスパス・ダリの方が面白いぞ、と言った。ミュゼ・モンマルトル、よくもあれしきのもので美術館を名乗っていられるものだ、とも思う美術館だ。ごめんなさいね、モンマルトル。
ただのスペースと名乗るエスパス・ダリ、その点、潔いよ。もちろん、民間の施設である。美術館の定期券、カルト・ミュゼは効かない。入場料は11ユーロ。久しぶりに行ったが、面白かった。

入場券を買って、地下へ下りて行く。
特別展をやっていた。2月10日から5月10日までの。
「ダリのサイン」となっている。

サルバドール・ダリと一緒に写っているこの男、エンリケ・サバテールという。ダリの晩年の十数年、秘書として、また、友として、親しくダリに接してきた男である。
彼、エンリケ・サバテールがダリから貰ったコレクションの特別展、ということらしい。

「柔らかい時計」だな。
サルバドール・ダリ、さまざまな多くの「柔らかい時計」を描いた。
描いたんだ。実は、立体の「柔らかい時計」が多くあること、”不思議だな、どうしてかな”、と思っていたんだ。

エスパス・ダリ、何と言っても多いのは、写真である。
サルバドール・ダリ、さまざま”これぞダリ”というショットを残してくれた。

目だ。サルバドール・ダリといえば、ルイス・ブニュエルとの合作「アンダルシアの犬」だ。眼球にカミソリの刃が当てられる。
でも、この目は別物か。

どこを見るのか。
やけに真面目なサルバドール・ダリ。

これは「燃えるキリン」で描かれていた女性じゃないか。後ろには、「宇宙象」の立体が見える。

床に座り、若い先生が、さほど年の違わない高校生の前で話をしている。
フランスでは、このような場面をよく見かける。高校生や中学生、小学生ばかりじゃなく、幼稚園の子供たちにも。


指の立体。サルバドール・ダリ、”サム”、親指には興味を覚えたらしく、1947年には、「親指のカテドラル」という作品もある。
続きは、明日。