パリ+リスボン街歩き  (40) ウディ・アレン(続き×3)。

ヘミングウェイは体育会系だ。ボクシングをやっていたし、腕っぷしには自信がある。「いつか、アドリアーナを取ってやる」、と公言してもいた。
ある日、ギルが小説の添削をしてもらうためガートルード・スタインのアパートへ行くと、パブロ・ピカソが叫んでいる。「あのハッタリ野郎め」、と。何と、アーネスト・ヘミングウェイ、ピカソの愛人・アドリアーナを連れアフリカへ行ったらしい。「キリマンジャロへ行ったが、あの二人、合わないよ。その内に帰ってくるよ」、とガートルード・スタインは言う。

ガートルード・スタインの言う通り、ヘミングウェイとアドリアーナの二人は、間もなくパリへ戻ってくる。
ギル、どうする。
アドリアーナもギルに対し憎からず思っているのだから。マッチョのヘミングウェイもけしかける。男は、怯んじゃだめだ。思うことに突き進め、と。
また別の日の夜中の12時、黄色いプジョーに乗って1920年代のパリのゴールデンエイジにタイムスリップしたギル、アドリアーナと話す内、つい、フィアンセのイネズのことを口にしてしまう。アドリアーナ、ピカソの下に戻ってしまう。
と、その時、肩を叩かれる。ステッキで。「ハハ、振られたな」、という声もする。
振り向くと、鼻の下に髭を生やした男がいる。どこか見知った男。「ダリだ。サルバドール・ダリだ」、とその男は言う。
もうそろそろ、ダリあたりが出てくるのじゃないかな、と思っていたら、そうなった。と、そこへルイス・ブニュエルとマン・レイも現れるんだ。面白い。
それもこれも、ガートルード・スタインがいるからこそ繋がるのに違いない。

パリのガートルード・スタインの書斎。
一昨日載せたピカソが描くガートルード・スタインの肖像画も、中央左手の方に掛かっている。
ガートルード・スタイン著『パリ フランス 個人的回想』の口絵を複写した。
急ぐ旅でもなし、また、明日にしようかな。