ローリング、ジャジー & ショーウィー。

20世紀で最も熱かった時代は何時か、アメリカの場合は1920年代であろう。
第一次世界大戦後のアメリカ、世界のトップに躍り出た。
Roaring 20th(狂騒の20年代)であり、Jazz age(ジャズ・エイジ)のアメリカ。1929年10月24日のBlack Thursday(暗黒の木曜日)、ウォール街の大暴落まで。
1920年代の前期、22〜3年、ニューヨーク郊外ロングアイランドの高級住宅地ウェスト・エッグの豪邸で、夜毎ド派手なパーティーが開かれている。宮殿と見紛うような豪邸でのド派手なパーティー、その主は誰か、誰も知らない。

『華麗なるギャツビー』、監督・脚本は、バズ・ラーマン。
原作はもちろん、F.スコット・フィッツジェラルド。
20年代の作家、パリのゴッド・マザー、ガートルード・スタイン命名のロスト・ジェネレーション。昨年、長々と記した「パリ+リスボン街歩き」の38回目(昨年6月16日)にフィッツジェラルドの写真を載せている。ヘミングウェイも、スタインも、若き日のピカソの写真も。ヘミングウェイやスタインの書の口絵を複写して。
お急ぎでなければ、ご覧ください。スコット・フィッツジェラルド、なかなかの男前。でかいアメ車の中での親子3人づれ、20年代だなって感じもする。

ギャツビー、確かにその人生はミステリーなんだ。”嘘”という言葉は、少しキツイが。
「お前は一体何者だ」ってことになる。
どこから来たのか、何をしているのか。
ニューヨーク郊外ロングアイランドの高級住宅地・ウェスト・エッグ、ギャツビー邸の見えるところに、ニック・キャラウェイの家がある。
話を端折って、ごくごく単純にする。
ニック・キャラウェイの従姉妹・デイジー・ブキャナンこそ、ギャツビー、ジェイ・ギャツビーが追い求めていた女、ということなんだが。

この女がデイジー・ブキャナン。トム・ブキャナンの女房。昔はギャツビーの恋人だったんだが。
物語、さまざまに展開していく。
監督、バズ・ラーマン、Roaring 20th(狂騒の20年代)を楽しませてくれる。ガーシュインからジャズ、チャールストン、そして、現代のラップまで、音の世界も。
ギャツビーの息を飲むほどの豪勢な暮らし、夜ごと夜ごとのド派手なパーティー、ローリングで、ジャジーで、ショーウィー(ド派手)なパ^ティー、結末は哀しい。
一代で成りあがり、財を為した男の純愛物語。
Roaring 20th(狂騒の20年代)、後に残るこういう物語もあった。

この作品、6月半ばの封切りであるが、その2か月ほど前から、シネコンにはこういうスタンディが立っていた。レオナルド・ディカプリオのスタンディ。
ディカプリオ、『タイタニック』のレオ様からは15年経つ。今や、レオ様ではない。近場では、タランティーノの『ジャンゴ 繋がれし者』の冷酷非情な牧場主、イーストウッドの『J.エドガー』のFBI長官・フーバー。でかい役者になりつつある。
まさにそう。
『華麗なるギャツビー』のディカプリオ、まさにアメリカン・アクターの王道を歩みつつある。